放送大学教材
メディア論

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  • サイズ A5判/ページ数 267p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784595318955
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C1355

目次

メディア論の視座
テレコミュニケーションの諸相:19世紀における時間と空間の変容
メディア論の系譜1
「テレビジョン」の考古学:20世紀型メディアの生成
メディア論の系譜2
メディアをめぐる歴史的想像力
東アジアのメディアの発展と現状
東アジアをめぐるメディア論的思考
観光:空間のメディア・イメージ論
観光をめぐるメディア論的思考
メディアをめぐる空間的想像力
新しいメディア論の相貌
新しいメディア論を身につけるために
課題と展望

著者等紹介

水越伸[ミズコシシン]
1963年三重県桑名市生まれ、石川県金沢市育ち。1986年筑波大学第二学群比較文化学類現代思想学コース卒業。在学中よりデザインオフィスCOATOにてインダストリアル・デザインと消費社会の文化人類学的調査に従事。1989年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退、東京大学新聞研究所(現・大学院情報学環)助手。1993年東京大学社会情報研究所(現・大学院情報学環)助教授。2001年市民のメディア表現やメディア・リテラシーの実践的研究に取り組む「メルプロジェクト」。2009年~東京大学大学院情報学環教授。2014年~バイリンガルの独立雑誌『5:Designing Media Ecology』編集長。専攻:メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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夜間飛行

166
トーマス・クックによる近代ツーリズムの誕生や、鉄道が風景の意味を変えてしまったこと、現代では様々なメディアが想像上の旅を創り、観光客は「観光地にいる自分自身」を見に行くということ、口コミサイトを利用する人々によって観光地のイメージが編集されていること等々、メディアの拡散は良くいえば創造的だが際限のない大衆化とも思えた。デジタルによる空間性の変容…監視される人々が監視もしているというパラドックスは、全体主義の「中心の見えなさ」を思わせ不気味だ。そんな中に私達の働き方がもはや抜き差しならぬ形で在るということ。2023/09/16

夜間飛行

163
19世紀に電信や鉄道が統治技術として整備され、20世紀には無線電話からラジオやテレビが創られたのに対して、画一化に反撥するビデオアートやCATVが現れたという。東伊豆有線TVという地域放送の制作者が講義に出演していた。たまたま彼が時計の文字盤を長時間映したところ、それをアートと解釈したビデオアーチストがいたという話。アートにとって思い込みの意義、市民メディアによる創造的な媒介ということや、また今回取材の元になったアーカイブというメディアが、様々な関係性を《外側に包みこんで存在する》という話も興味深かった。2023/09/14

2
2018年出版。飯田豊がメディアの歴史(=時間的視座)を、劉雪雁が中国圏のメディアの現況(=空間的視座)を担当している。マス・コミュニケーション研究や新聞学、情報社会論、観光学などが合流した地点にメディア論はある。水越伸によってメディア論自体に対する批判が展開される第12章が白眉であると思う。新カルチュラル・スタディーズという分野が生まれつつあることや、長谷川一の標語「個別メディア産業別縦割り主義」は収穫であった。急速な変動を直に受けるメディア論は、ル・ボン『群集心理』のような確固とした理論をううるのか。2024/01/29

古戸圭一朗

1
歴史・空間という2つの切り口からのメディアに関する見方を概観した後、「メディア論」という学問が取るべきパースペクティブ、そして「批判的メディア実践」という方法を紹介する。メディア論のみならず、人文学や社会科学にとって「実践的である」とは、どのようにして可能か、という問いに色々示唆的なものを含んでいると感じた。2018/10/26

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