目次
経験論の源流
ロック哲学の衝撃
ロックの所有権論
ジョージ・バークリの非物質論
ヒュームの因果批判
ベンサムの思想
ミルと功利主義
論理実証主義と言語分析
論理学の展開
ウィトゲンシュタインの出現
現代の功利主義
帰納の謎
自然主義の興隆
認識の不確実性
ベイズ主義の展開
著者等紹介
一ノ瀬正樹[イチノセマサキ]
1957年茨城県土浦市に生まれる。1981年東京大学文学部第一類哲学専修課程卒業。1988年東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得満期退学。1997年東京大学より博士(文学)の学位を取得。1998年第10回和辻哲郎文化賞(学術部門)および第6回中村元賞を受賞。東洋大学文学部専任講師、同助教授、東京大学大学院人文社会系研究科助教授、オックスフォード大学客員研究員を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オランジーナ@
5
分析哲学の本は難しくてわかりにくい本が多い印象でしたが、これはそこそこ明瞭に書かれていると思った。2016/08/01
大道寺
5
計量化への志向性という共通点をもつ功利主義と分析哲学について、経験論哲学の歴史から説き起こす。『プラグマティズムの思想』の感想でも同じこと書いたけど、功利主義・分析哲学の姿勢は、私の知る多くの職業人の姿勢に通じる。色々な物事(たとえばリスクとか)を定量化して行動を決めていく、ということの繰り返しを私は日々行っている。/入門ということで仕方ないと思うが、「それってどういうこと?」と疑問に思った時のとっかかりが少なく、参考文献にあたる必要を感じた。/放送大学ってこういう面白い切り口の授業もやってるのね。2013/05/20
take
3
「経験論」のいう「経験的」とは「努力し試みることの中において」という意味である、という筆者の一貫した立場で様々な経験論的思考が紹介されている。章によってわかりやすさにかなり差がある気がする(「功利主義」の説明は大変わかりやすい。筆者の専門なのかな...)が、全体としてはよくわからない箇所であっても、色々な気付きを与えてくれる記述が散りばめられていてとても勉強になった。「努力し試みることの中において」という意味では、以前何冊か入門書をかじった「プラグマティズム」も経験論の流れにあるのかなと思った。2018/03/30
takizawa
3
功利主義と分析哲学をなぜ一つの本で論じるのか。功利主義は,結果として生み出される人々の幸福が増大するような行為を是とする立場だし,分析哲学は「可能的な不可能性という無」とか言い出しちゃうドイツ観念論に対抗して明晰な議論を目指す潮流で,両者は独立しているかに見える。しかし実は,功利主義も分析哲学も,経験的な知覚を基盤とし,程度を許容するという意味での計量化を志向する(不確実性に関する確率論,ベイズ主義)点で共通している。このような構成の哲学入門は貴重で勉強になった。私は言語分析に興味あるなぁ。2010/06/09
もち
1
論理学あたりは当然ながら難しくて何度か読み直す必要があったけども、理路整然とした文章と展開でとてもわかりやすかった。読む前は功利主義ってサンデル先生の授業ででてきたアレだよねって程度の認識だったけど、読んでいくうちに功利主義や分析哲学をもっと勉強してみたいと思うようになった2013/11/30
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- 和書
- 作っておいて→すぐ、ご飯




