出版社内容情報
有機化学は無機化学と対をなす言葉で,「生物がつくる化合物の化学」として始まった。私達の身の回りにある物質は,多くが有機化合物であり,我々生き物の構成成分も,水以外はほとんどが有機化合物である。私達は太陽のエネルギーがなければ生きていくことはできないが,そのエネルギーは二酸化炭素の還元に使われ,有機化合物が蓄積される。本書は,これら有機化合物の基礎的性質を理解するとともに,どのような物質がどんな働きをしているかをわかりやすく解説している。また,生体内の有機化学反応についても言及。
1.はじめに 有機化学の歴史
2.有機化合物はなぜ多いか
3.有機化合物のかたち
4.有機化合物の反応の種類と駆動力
5.石油からエチレン,そして化学工業へ
6.飽和化合物の反応-置換反応と脱離反応
7.食物の代謝と酸化還元反応
8.諸刃の剣-酸素と有機化合物そして生き物
9.カルボン酸とアミン
10.石炭から染料の合成-芳香族化合物の化学
11.光・電子機能材料
12.キラリティと医療
13.天然有機化合物と生理活性
14.生体内の有機化学反応
15.生体の機能を利用する有機化学