出版社内容情報
現代人の人間としての存在の条件,社会の在り方,文化や環境の成り立ちについて,現代思想はどのような問いを立てているのだろうか。現代思想の代表的な思想家を例に,それらの理論が現代世界の何を理解させるのかを考察。たとえば,ラカンの「精神分析理論」を手がかりに,人間はいかに欲望の主体となるのか,言葉と他者,欲動と無意識などをテーマに人間の主体のシンボリックな成り立ちについて考えている。その他,記号とイメージ(パース),無意識の問い(フロイト),権力と身体(フーコー),戦争(ハイデガー)などで構成。
1.「現代思想とは何か」-イントロダクション
2.「言語の世紀」の問い-ソシュールをめぐって
3.記号とイメージの世界-パースと現代記号論
4.無意識の問い-「フロイトの発見」以後
5.文化の意味-「構造主義革命」以後
6.「欲望とは何か」-欲望と主体
7.「権力と身体」-権力と主体化
8.「社会とは何か」-象徴闘争と社会
9.情報とメディアの思想-「メディアはメッセージ」
10.文化産業と想像力-想像の未来
11.「戦争について」-戦争はなぜ終わらないのか
12.「宗教について」-宗教の回帰を問う
13.ナショナリズムと国家-ナショナリズムを克服する
14.差異と同一性の共生原理-ジェンダー、マイノリティ、クレオール、マルチチュード
15.総括と展望-新しい人文知のために