出版社内容情報
計算科学(computational science)は計算という手法を通して現実の世界を探求し技術を展開していく学問で、これまでの数学では定量的・解析的に扱うことの出来なかった問題に人類の活動の範囲を広げ、社会や人間行動など非線形的に相互作用し合うシステムを次第に解明しつつある。本書は地球シミュレーション、クォークの計算、たんぱく質の立体構造など、計算科学によってはじめて解明可能となったシステムとその諸課題について考察。また、計算科学が近未来的に持つ意義を探り、どのようなパラダイム転換に通じるかを論じている。
1.計算科学とは
2.要素的問題と大自由度問題
3.計算科学と非線形世界の解明
4.超大型計算機による地球のシュミレーション
5.計算機で素粒子と宇宙を探る
6.科学研究のために作る計算機
7.異なる対象と共通の論理
8.確率とモンテカルロ計算
9.タンパク質の立体構造の探求
10.量子力学の世界と物性
11.計算機とデータのグリッド
12.広がる計算科学
13.超高速計算の方向
14.物質世界の根源
15.私と計算ーまとめに代えて