出版社内容情報
日本の近代化の過程で文学が果たした役割は大きく、とくに「近代的人間」の形成に時として決定的な影響を与えてきた。本書は外国文学に焦点をあて、明治以降の日本でどのような外国文学が受け入れられ、あるいは受け入れられなかったか、また日本の読者、翻訳家、創作家、研究者に及ぼした影響を具体的な作品を通して検討している。比較文学研究の重要な領域である「受容論」の視点から日本の近代化に際して外国文学の果たした役割を再検証した書。
1.外国文学の受容と比較文学
2.近代文学とイギリス文学 1880~1930(1)
3.近代文学とイギリス文学 1880~1930(2)
4.ドイツ文学の受容
5.ドイツ文学と近代文学
6.上田敏『海潮音』とフランス象徴派の詩
7.ヴェルレーヌ、マラルメから有明、白秋へ
8.ロシア正教と日本
9.昭和のドストエフスキー解釈
10.スペイン文学の受容
11.ラテンアメリカ文学の受容
12.佐藤春夫と台湾
13.台湾の日本語文学
14.『アラビアン・ナイト』と日本人
15.日本文学と世界文学