小学館101ビジュアル新書
ゴッホが挑んだ「魂の描き方」―レンブラントを超えて

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098230259
  • NDC分類 723.359
  • Cコード C0270

出版社内容情報

知られざるゴッホの真相に迫る

日本で常に高い人気を誇るポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853?90)。彼については、激情にあふれた画家というイメージが、一般に広まっています。しかし実際には、非常に勉強熱心で、自己の芸術に対して真摯な考察をめぐらせる、沈思熟考型の思索者としての一面が彼にはありました。
そんなゴッホが自らの芸術を生み出す上で、最も手本とし私淑したのが、母国オランダの画家レンブラント(1606?69)でした。ゴッホは書簡の中で度々、自己の芸術の目標としてレンブラントに言及し、また、パリに出てからもルーヴル美術館で、熱心にレンブラント作品の研究にあたりました。一見、共通点など何もないような、闇の表現を特徴とする17世紀バロック絵画の巨匠の作品に、ゴッホは何を見出したのでしょうか?
「炎の画家」ゴッホが手本とし、乗り越えようとした「闇の画家」レンブラントの作品をたどりながら、ゴッホがそこから何を学び、いかにして「魂の画家」となりえたのか、知られざるゴッホの真相に迫ります。


尾崎 彰宏[オザキ アキヒロ]
著・文・その他

内容説明

―レンブラントのような絵を描くためには、自分はいったい、何度生まれ変わらなくてはならないのか…。「炎の画家」ゴッホは、「闇の画家」レンブラントに対する切実な思いをこう語る。一見、共通点など何もない17世紀バロックの巨匠の絵画に、ゴッホは何を見いだしたのか?ゴッホがめざし、乗り越えようとしたレンブラントの絵画をたどり、ゴッホがそこから何を学び、いかにして「魂の画家」となりえたのか、知られざるゴッホの真相に迫る。

目次

第1章 魂のありか
第2章 独創性への野心
第3章 手による思索
第4章 芸術家にとっての自由
第5章 東からの衝撃
終章 魂の描き方

著者等紹介

尾崎彰宏[オザキアキヒロ]
1955年福井県生まれ。美術史家。東北大学大学院文学研究科教授。東北大学大学院文学研究科博士課程後期退学(美学・西洋美術史専攻)。専門はネーデルラント美術を中心とした西洋美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

14
ゴッホが大きな影響を受けたのはレンブラントと日本。レンブラントが従来の理想美を超えるためにしたのは、まず現実観察によるリアルな表現(特に表情)、次に手の動きの痕跡=筆触による新しい自己表現だった。一方キリスト教に絶望し、芸術による精神救済を夢見るゴッホにとって、芸術の国日本は希望そのものだった(「仏僧としての自画像」が強烈)。本書を読んで、西欧の「自由」「個人」の探求が、それが可能だった事自体が、いかに無二で重大なものだったかを改めて感じた。この孤独と勇気のプロセスが可能な土壌が他にあったとは思えない。2016/09/02

袖崎いたる

6
レンブラントの侠気に惚れる。自由とは何かに迷ったらレンブラントの絵を見ろってレベル。ペテロの因習的な象徴性を一枚の絵でリライトしちゃうなんて…カッコいい。ゴッホのほうも病的にアルルをジャパナイゼーションして、そのなかで自分の理想の王国を立ち上げようとしたのなんかは痺れる。宗教ではなく芸術でまわる国家とあるけれど、宗教も芸術もどこかで狂気的な部分からアリの一穴を穿ってリアリティを一変しちゃうんだろうね。2020/01/23

m

4
ゴッホ展の予習復習に。ゴッホがレンブラントとこんなに意識していたなんて意外だった。レンブラントの凄さがいまいち分からないので、ふーんという感じ(笑)2017/12/09

Punk!Punk!Punk!

4
ゴッホの個人に言及するのではなく、レンブラントとの共通項からゴッホの絵画に込める姿勢や思想の素を見出す内容となっている。ゴッホの人間性や生き様を知りたいのであれば、他の書物を読むべきである。よってゴッホをある程度理解した上で本書を読むと よりゴッホの絵画に秘められた想いや取組が分かる。がしかし、あくまでもレンブラントの影響下での読み解きであって、ゴッホ自身からの読み解きではない。敢えて言うならば、本書はレンブラントの偉大さがゴッホまでも魅了され、彼の作品に多大なる影響を与えたということに尽きる。2014/05/13

チエコ

4
カラー図版が多くてお得。ゴッホがレンブラントを敬愛していたこと、ゴーギャンとの生活のことなどが書かれていた。もう少し突っ込んで書いてほしかったような気もするけれど、ゴッホの生涯について大まかなことを知るにはいいかも。2013/08/20

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