出版社内容情報
いかにして今日の教育の混迷から抜け出せるのか。そのための一つの方法として、教育の混迷の諸相を追求し、教育に対する反省的思考としての哲学を学ぶことが上げられる。本書は二部構成で、第一部では教育問題の所在を明らかにしたうえで、ルソー、ペスタロッチなどの近代における教育哲学を考察、教育という言葉が持つ概念、教育のあり方を再検討している。第二部では教育の具体化としての学校をキーワードに問題の所在を探り、学校システム、教師と子供の教育関係、教育空間のあり方について論じている。
1.教育の哲学とは
2.教育学の成立とその発展
3.教育学の展開
4.「人間の教育必要性」のフィクション
5.「子ども中心主義」の<意味論>
6.進歩観と教育の問題
7.啓蒙と教育(1)-教育の脆弱さ
8.啓蒙と教育(2)-教育の「シニシズム」をこえて
9.教育における自己と他者
10.教育と反教育-ある絵本に映し出された近代教育学の構図
11.学校と教師の「自閉の回路」
12.教師と子どもの教育関係
13.学校空間の教育哲学(1)-閉じていく教育の空間
14.学校空間の教育哲学(2)-学校における「閉鎖性」と「開放性」のあいだ
15.都市空間の教育哲学