内容説明
18世紀末からヨーロッパを吹き荒れた「革命」の時代。フランスのナポレオンが軍事侵攻を繰り返し、英国もまた長期にわたる戦争に巻き込まれていた。キングズブリッジの住人たちも、第一〇七歩兵連隊として戦いの地に出向くことに。そんななか、囚われのナポレオンが復権を果たし、ついにワーテルローの地で一大決戦の幕が切って落とされる…。労働問題、侵略と戦争、市民と国家。現代にも当てはまるテーマに巨匠フォレットが絢爛たる筆致で挑む。キングズブリッジ・シリーズ堂々の完結編!
著者等紹介
フォレット,ケン[フォレット,ケン] [Follett,Ken]
1949年、ウェールズ生まれ。著書が全世界で累計1憶8800万部を超える大ベストセラー作家。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞。1989年に発表された『大聖堂』は全世界で2000万部を超える大ベストセラーに
戸田裕之[トダヒロユキ]
1954年島根県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
159
本作、上・中・下巻、1,250頁弱、完読しました。大聖堂キ ングズブリッジシリーズ、全五部、約800年、8,000頁強コンプリートです。 完結篇のクライマックスとしては、淡々と終わりましたが、読み応えのある超大河小説でした。完結篇とのことですが、もしかしたら19~20世紀の物語もあるかも知れません。 https://www.fusosha.co.jp/books/detail/97845940954202024/09/19
k5
43
キングスブリッジの面々は揃ってワーテルローの戦いへ。なんでこんなに全員戦争に行くことになったのかは不明ですが、ナポレオンという強大な敵を前に物語は盛り上がってます。アイルランド人が地元に定着したりとか、ゲイの登場人物が出てきたりとかは、ある種政治的に正しくあろうとしているのですかね。ワンパターンはワンパターンなんだけど、それでもこのシリーズは面白いです。2024/10/07
ぽてち
30
いよいよ最終巻である。上巻、中巻で描かれてきた様々な出来事が、ワーテルローの戦いでクライマックスを迎える。キングズブリッジからこの戦争にすっ飛ぶのはいささか無理があるかと思いきや、稀代のストーリーテラーであるフォレットの手にかかればなんの違和感も感じさせない。それぞれの思いが絡んだ愛憎劇も一応の決着を見る。まあ、これはちょっと甘いかなあ……。訳者あとがきによれば、本シリーズはこれが最後となるそうだ。1991年に刊行された『大聖堂』から35年、ほぼリアルタイムで読み続けてきたので感慨深い。2025/01/03
まえぞう
26
大聖堂から始まったキングスブリッジシリーズも第5作目、これが最後のようです。ナポレオンが大陸を席巻する時代、産業革命の機械化を巡り職工と経営者のいざござの中で話しが進みます。これまでの宗教対立はあっても常識にかなう程度で、今の感覚に近づいてきました。最後はワーテルローの戦いで大団円となりますが、少し駈け足になっています。2025/05/22
ちゃま坊
18
イギリスで産業革命が起こると機械化が進み、労働者がどんどん失業していく。すると機械を破壊する運動が起こる。これに対し機械を打ち壊したら死刑という法律で取り締まる。そんな中で、ナポレオンの勢力拡大に伴うヨーロッパ各国での戦いが続く。後半登場人物の多くがワーテルローの戦場でナポレオン軍と戦っていた。2024/10/08