内容説明
18世紀末の英国。バドフォード近郊の集落で小作農をしていたハリー・クリスローは、収獲作業の最中、地元の息子のウィル・リディックの不注意から荷馬車の下敷きになり、死んでしまう。妻のサルは紡糸の内職をしていたが、夫を失って主たる収入が絶え、地元のリディック一族から賠償金ももらえず、途方に暮れる。仕方なく、まだ6歳にしかならない一人息子のキットを、キングズブリッジにあるリディック家の使用人として住みこませることになるが、キットの命に係わる馬の暴走事故が起きて…。
著者等紹介
フォレット,ケン[フォレット,ケン] [Follett,Ken]
1949年、ウェールズ生まれ。著書が全世界で累計1憶8800万部を超える大ベストセラー作家。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞。1989年に発表された『大聖堂』は全世界で2000万部を超える大ベストセラーに
戸田裕之[トダヒロユキ]
1954年島根県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
139
ケン・フォレットは、「針の眼」以来、40年近くに渡って読み続けている作家です。キングスブリッジ(大聖堂)・シリーズも読み続けて、漸く完結篇に突入します。完結篇は上中下全3巻、1,250頁弱の大作です。時は、18世紀末から19世紀初頭、産業革命前夜、ナポレオン・ボナパルトの時代です。上巻は一気読みしました。トータルの感想は全巻読了後に。 https://www.fusosha.co.jp/books/detail/97845940954062024/09/17
k5
48
『大聖堂』シリーズの最終章とな。相変わらず朝ドラしていて、勧善懲悪で楽しめます。フランス革命を横目に見ながら、改革を意識する民衆とわかりやすいくらい反動な支配層。理不尽な権力の横暴と、新しい技術と思想でそれに対抗する主人公たち。まあ、こう書いてきて思うのはやっぱりワンパターンにすぎるかなってことですが、それでも読んでいて飽きないし、三人称多視点小説の構造を学ぶつもりで読み進めようと思います。2024/09/10
ぽてち
31
『大聖堂』から始まったキングズブリッジ・シリーズの完結篇。舞台となるのは18世紀末のキングズブリッジで、そこに生きる人々の姿を活写した歴史エンターテインメントだ。フォレットお得意のパターンは健在で、善悪ははっきりしているし女は強い。ただ、これまでの作品とやや異なるのは、特定の主人公がいない群像劇(これは3・4作目も)であり、彼らに明確な目標がないことだろうか? こっそり目次を覗いてみると、下巻では、有名なあの戦争が描かれるらしい。産業革命や多くの戦争という激動の時代を、庶民の目線で追った作品なのかな。2025/01/01
ちゃま坊
15
舞台はフランス革命のころのイギリス。日本だと江戸時代。英国の毛織物産業に従事する人物が多い。この大聖堂のシリーズではおなじみの聖職者と地主がすでに出てきた。悪党二人はやはり権力者。アメリカとフランスで起こった独立戦争や革命の影響を権力者たちは恐れているようだ。だから庶民を締め付ける。ナポレオンの話題も出てきた。2024/10/03
ガットウ
14
キングズブリッジ今回は産業革命頃のハナシ。権力者は相変わらずクズ!2025/02/05