内容説明
レオ・アスカーはスウェーデン・マルメ警察署重大犯罪課の女性警部だ。彼女は、資産家の娘スミラ・ホルストと元恋人のマリクの失踪事件について捜査を進めようとするが、ホルスト家の顧問弁護士で自身の母親でもあるイザベルの差し金で、国家作戦局から派遣された元上司のヨナス・ヘルマンに捜査権を横取りされたうえ、突然事件の担当からも外され、署の地下にある「リソース・ユニット」へと異動させられる。そこは得体の知れない曲者たちの集う「迷宮入り事件」専門の謎の部署だった…。
著者等紹介
デ・ラ・モッツ,アンデシュ[デラモッツ,アンデシュ] [de la Motte,Anders]
1971年生まれ。元ストックホルム警察の警官で、現在は国際セキュリティ・コンサルタントとして活躍しながら小説を執筆。2010年『監視ごっこ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)で作家デビューし、スウェーデン推理作家協会賞の新人賞を受賞
井上舞[イノウエマイ]
英米文学翻訳者。主な訳書に『ぼくはガウディ』『WAREHOUSE HOME』(パイインターナショナル)など
下倉亮一[シタクラリョウイチ]
スウェーデン語翻訳者。主な訳書に『減量の正解』(サンマーク出版)、共訳書に『つけ狙う者』(扶桑社)、『スティーグ・ラーソン最後の事件』(ハーパーコリンズ・ジャパン)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナミのママ
68
レオノール(レオ)・アスカーはスウェーデンのマルメ警察署重大犯罪課の女性警部。30代前半でなかなか優秀なはずなのに失踪事件の担当をはずされて地下の「リソース・ユニット」なる部署のトップに任命される。あきらかな嫌がらせ人事だ。既視感のある設定だが面白そうな展開。さらに明かされていくレオの家族や過去も興味深い。ストーリーはこのレオと犯人らしき人物・行方不明者の視点と目まぐるしく変わり、否が応でも引きずりこまれていく。それぞれがどう繋がっていくのか、下巻へ。2024/10/01
タツ フカガワ
51
廃墟探険に出かけた男女二人が帰宅せず捜索願が出される。捜査現場を指揮する女性警部アスカーだが、かつて不倫関係にあった上司のヘルマンが署に戻ってきたことから突如閑職へ異動させられる。が、その部署の前任者が、ある女性の失踪事件を密かに調べていて、しかも廃墟探険中に姿を消していたことを知る。アスカーの特異な過去と家族関係、不倫の上司との因縁に加えて初恋の男も絡んでくるという、ちょっと盛り込み過ぎではと思いながらも、さくさくと読み進むスウェーデン産のミステリー。行方不明の一人が遺体で発見されたところで下巻へ。2025/02/10
星落秋風五丈原
24
本作の構成はネレ・ノイハウスのオリヴァー&ピアシリーズに似ている。章毎に主要人物が変わり、時間が進むにつれ、それぞれの関係性が明らかになっていく。冒頭は誘拐された少年の話だ。幸いにして戻ってきたが、少年には実験された記憶が残っており、どうやら自分を取り換え子(原題Bortrbttaren)と信じている。彼は長じて山の王となるが、広大な土地を所有しているという意味ではない。彼のどんな行動をもって王というのか。次の章では恋人MMと散策中のスミラ・ホルスト視点だ。2024/11/29
bapaksejahtera
15
監視ごっこ→炎上投稿と読んで3作目。2作とも奇をてらう現実離れの作品だったが、この作品は上巻に関する限り、テンポもよく読み進む事ができた。若くしてマルメ警察の重大犯罪課係長となった女性警部が主人公。管内で誘拐事件が発生、被害者である娘の親は有力者で、首都警察の捜査を要求する。派遣されてきた警視は主人公と嘗て訳アリで、悶着の末別れた男。邪魔な彼女は署内の、いくら瑞典でもこんな課はないと思う有閑部署の課長に追いやられる。章毎に山の王と呼ばれる偏執的な誘拐犯、主人公刑事、誘拐された女性と語り手が忙しく替り下巻に2025/04/21
こーらすまま
10
主人公が左遷されて変人だらけの部に左遷されて事件解決する、クセ強チームあるある。廃墟探検が趣味のカップルが失踪し、警察はちょいワルの彼氏が金持ちの彼女を誘拐したというシナリオに沿って捜査することに、異を唱えるヒロインは左遷の憂き目に。主導権争いなんかどうでもいいからカップル助けたげて!2025/02/03
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- 和書
- 「秋田風俗絵巻」を読む