木のストロー

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木のストロー

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  • サイズ 46判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594086312
  • NDC分類 583
  • Cコード C0095

出版社内容情報

これはまるで「下町ロケット」のような
困難と対立と開発と成功の実話です!


・住宅会社がストローをつくってどうする!
木造注文住宅会社、アキュラホームの広報を務める西口彩乃さんは、ある日仲のよい環境ジャーナリストから1本の電話を受けた。
「木のストローをつくれないかな?」
間伐材を再利用したい、廃プラスチックの対策としたいという意図に賛同して、「世界初の木のストロー」づくりに乗り出した西口さんだが、社内では「住宅会社がストローをつくってどうする!」と猛反対にあう。また、作ってくれるメーカー探しにも難航した。
しかし、たまたま会食で会ったホテルの総副支配人が「もし実現したら採用する」と言ってくれたこと、社内で少しずつ賛同者が増えたことで、反対派急先鋒の役員を熱心に口説いて了解を得る。
・記者発表会直前のトラブル
薄くスライスした木材を斜めに巻く、という手法にたどり着き、なんとか木のストローができあがった。そこで木のストローを導入してくれるホテルと記者発表会を開くことに。しかし、記者発表会1週間前に、木のストローから油が浮いてくることが発覚! すぐさま工場に飛び、記者発表ギリギリで対策を講じることができた。
2018年12月11日、海外も含め主だったメディアが記者会見に来場。最後、記者の一人が手を上げ「このような取り組みの発表を聞けたことが嬉しい。ぜひ伝え広めていく」と言ってくれた。
さまざまなメディアで報道された記者会見の反響はすさまじく、導入したい、購入したいという問い合わせが殺到した。

ドラマならここが素敵な最終回になるだろうが、そうはいかなかった。
到達したと思ったゴールは、スタートでしかなかったのだ…。

木のストローは2019年大阪サミットをはじめとするG20のすべての会合で採用され、地球環境大賞(農林水産大臣賞)など、多くの賞を受賞した。
木のストローの目的は、利益を得ることではなく、間伐材を活用すること、プラスチック製品を減らすことだ。
そのうえで、地元の間伐材を使い、地元で加工し、製造は地元の障がい者施設に任せ、地元の企業が購入して使用するという地産地消のビジネスモデルを作りあげた。
単なる成功秘話ではない、二人の素人女性がつくりあげた、普遍性のあるビジネスモデルのすばらしさに、胸が熱くなることは間違いない。

内容説明

「住宅会社がストローをつくってどうするんだ!」間伐材再利用と廃プラ問題解決のため、ど素人の住宅会社広報担当が「木のストロー」制作に立ち上がった。社内の反発、失敗続きの試作品、記者会見直前の大トラブル…。まるで「下町ロケット」のような開発実話!2019年G20で採用。地球環境大賞農林水産大臣賞受賞。

目次

1章 それは一本の電話から始まった
2章 出口の見えない産みの苦しさ
3章 木のストローが生まれた日
4章 大反響から一転、誰も幸せにならない
5章 G20で一変した立ち位置
6章 木のストローがつくる未来

著者等紹介

西口彩乃[ニシグチアヤノ]
1989年、奈良県生まれ。立命館大学理工学部環境システム工学科卒業。2012年、木造注文住宅会社の株式会社アキュラホームに入社。大阪支店での営業職を経て、2014年より新宿本社にて広報を担当。2018年から「木のストロー」の開発に携わり、2019年1月、ザ・キャピトルホテル東急に木のストローが導入された。2019年に開催されたG20のすべての会合で木のストローが採用され、大きな注目を集める。木のストローはウッドデザイン賞(優秀賞―林野庁長官賞)、キッズデザイン賞、グッドデザイン賞(私の選んだ一品―2019年度グッドデザイン賞審査委員セレクション選出)、グッドライフアワード(環境アート&デザイン賞)、地球環境大賞(農林水産大臣賞)など、さまざまな賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽけっとももんが

8
そもそもわたしは、ストローなんて使わなくてもいいんじゃないかね、と思っている。使う必要のある人は堂々と使えばいいけれども、ファミレスのドリンクバーでジュース飲むのにストローなんかいらんでしょ。氷かき分けコップに口つけて飲めよ。ストローは世界で流通しているプラスティックのごくわずかだろう。でもこの「木のストロー」の意義はそういうことではない。盛んに言われ始めたSDGsとはなんぞ、と身近なことから考えるきっかけになるべきものだ。アキュラホームのイメージアップも間違いない。2021/02/14

mochizo

3
久しぶりに読んでよかったと思える本です。一人の社員が「木のストローを作ってみたいという事から、実際に作るまでの苦労。そして、事業化への困難さを克明に描いています。一つの内容を事業化するのって本当に大変なんですね。また、今後はこの商品のようにコストかかっても環境配慮した商品を作るようになるのでしょうか。ためになった本です。 2021/12/20

ちよこ

3
この木のストローが発表されたとき、結構話題になったらしいけど、残念ながら私は知らなかった。しかも、住宅メーカーが作ったなんて。著者は住宅メーカーの広報担当で、環境ジャーナリストからの提案で、本業の広報にプラスしてストローを開発するという無謀なプロジェクトをやり遂げた。その凄まじい熱意に感服した。プラスチックの何倍ものコストがかかるけれど、木のストローのインパクトは大きく、訴えかける力は強い。こういうことが人の意識を変えるんだな。2021/04/10

トーテムポールさん

2
間伐材を使用して開発した木のストローをシルバー人材に生産してもらうという、SDGs欲張りセット(文中でもSDGsのうち14項目ぐらい満たせるのでは、とまで言っていた)な計画を手動することになった、住宅会社の広報の人の話。ほとんど思い付きで始まったような話が、どんどん膨れ上がって自分でコントロール出来なくなって行く様が、著者のかなり主観的な目線で描かれていて、ちょっと当時のテンパりが伝わってくるぐらいのリアリティがあった。2024/07/10

ゲンタ

2
読み終えて、ひとつの画期的な製品が完成するまでの全過程に立ち会ったように感じました。それは、いつ、だれが、何をしたという客観的な事実だけでなく、著者の西口彩乃さんが何を思い、感じ、悩んだのか、そうした主観的な視点で書かれているからだと思います。このプロジェクトには、すばらしい「ビジョン」と、関係者の「情熱」「協力」が詰まっています。志を同じくした者は、業種や損得を越えてつながり合える。木のストローは、住宅メーカーとジャーナリスト、工場、ホテル、行政がコラボした文化遺産と言っても過言ではないと感じました。2021/03/20

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