• ポイントキャンペーン

殺人の品格

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 462p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594085230
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0095

出版社内容情報

韓国で出版拒否された禁断の書!
脱北者の逃れられない地獄を脱北経験のある著者自身が“小説”として上梓。
韓国で文学賞を受賞した著者が鬼気迫る筆致で悲惨すぎる境遇を描き出す。

北朝鮮の元高官だったが、失脚し地方に左遷された主人公・チュンシク。
人間が人間を食すという鳥肌が立つような北朝鮮の現状に幻滅したチュンシクは脱北を決意する。
ところがたどり着いた中国でも苦難を味わい、ついに行き着いた韓国で突き付けられたのは“強制送還”という非情すぎる決定だった……。

内容説明

韓国で出版拒否された禁断の書!人間が人間の排せつ物を食べる、人肉商売、無辜の民が処刑され、凌辱され、奴隷になる社会…自らが脱北者であり、韓国の文学大賞受賞作家が描く人間の尊厳とは。

著者等紹介

イジュソン[イジュソン]
小説家、詩人。1965年、平壌市万景台区域生まれ。1968年、咸鏡北道会寧市ユソン炭鉱に強制移住。2006年1月、脱北。現在、NKデザイン協会(北朝鮮人権団体)、パンヌ文化企画会社代表。韓国小説協会会員。脱北者の女性が中国に売られ性奴隷にされてしまう実話をもとにした小説『ソンヒ』(現在のタイトルは『哀しい月』)がデビュー作にして、韓国芸術文化団体総連合会の文学大賞を受賞。2作目の韓国民主化の原点ともいえる光州事件を題材とした作品『紫色の湖』が異例のヒットをしたが、刑事告訴をされるなど激しいバッシングを受けることになる

金光英実[カネミツヒデミ]
翻訳家。1971年静岡県生まれ。清泉女子大学卒業後、韓国に渡る。ソウル在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆのん

66
『殺人の品格』…タイトルだけで読んでしまった。猟奇殺人的な内容だと思っていたものだから軽めの気持ちだった。帯もきちんと見なかったから…。著者自身が脱北者、韓国では出版拒否。北朝鮮で高い地位にあった男の物語だった。北朝鮮、中国、韓国、アメリカと様々な国が登場。『フィクション』とされているが物語の中には実際に著者が体験した事や、事件にも触れられているとの事。出版する為に自ら出版社を立ち上げ、順調に売り上げていたにも関わらず圧力がかかったとあとがきにあった。その理由は読んでみれば一目瞭然だった。1702020/07/21

Ai

11
壮絶。胸糞悪さを通り越し、呆然とした。決して文学的には優れた文章ではなく(翻訳したせい?)、一章ごとに鬼畜の所業が畳みかけ、余韻もない。が、著者が脱北者ゆえ、北朝鮮人の主人公が受けた、目にした凄惨な描写にめまいがした。彼の一家が生き残ることができるか気になり、ページを繰る手が止まらない。国策としての麻薬・武器製造、紙幣偽造。国内では弱きものへの徹底的な搾取。国外では北朝鮮人は家畜以下とみなされ、性奴隷、臓器密売市場へ。俺たちは魂のない肉なのか、という主人公の慟哭が突き刺さる。小説の体を取った告発文。2020/11/19

色々甚平

8
脱北者の著者なだけにフィクションと言い切れないようなノワール。韓国では、どの出版社にも断られる内容ということが、より中身の信憑性を高めることになっていると思う。主人公は別に善人ではない。ただ、北朝鮮政府の裏金責任者であっても、主体思想と道徳の狭間で揺れることがあるのは若干人間味を感じる。役人だった頃は上っ面ですべてを選んでいたのに脱北をして残酷な目に合うまで家族や懺悔などと向かい合わなかったし、考えなかっただろう。一方で、人糞を濾して食べかすを食べてるシーンは胸糞が悪くなれる。全編強烈でダーク。2020/10/30

kaya

7
この地上で起きている、地獄のような出来事が描かれていた。北朝鮮で高官のチュンシクは父の失脚に連座し、地方に左遷されてしまう。その結果、それまで必死に築いてきた地位も財力も奪われ、彼に残ったのは妻子だけだった。奴隷のように扱われる劣悪な労働環境や飢餓に苦しみながらも家族と力を合わせその日その日を生きていたチュンシクだったが、彼と家族の身に起きたある事件が彼らに脱北を決意させ、その後の人生を大きく狂わせることに。飢餓の苦しみから人糞や人肉を食す人々、性的搾取や臓器売買を目的とした人身取引、ページをめくれば 2020/07/25

かすり

4
北朝鮮の高級官僚だったチュンシクの人生は、父がスパイ容疑で処刑されたことから転落する。しかし、官僚時代に身に付けた技術を駆使して脱北を図る。家族を失いながらも逃走中に出会った同胞と共に韓国を目指す。何度も裏切りにあい、危機を乗り越えるチュンシクだったが、韓国も彼に安全を与えてはくれなかった。…壮絶。21世紀に人が人糞を食べ、餓死していく国。幼い息子の、テレビが見たいというあまりにもささやかな願い。中国も韓国も彼を裏切り、救ったのは国連軍(アメリカ)という皮肉。決して他人事でないと思うのは、既得権益を守るた2020/09/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16287853
  • ご注意事項

最近チェックした商品