内容説明
避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。最初に到着したのは書箱編集者のカーラ。すこし遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。六人全員が到着した晩に事件は勃発した。当地に住む“食人族”が六人に襲い掛かったのだ。“食人族”対“都会族”の凄惨な死闘が開始する!
著者等紹介
ケッチャム,ジャック[ケッチャム,ジャック] [Ketchum,Jack]
俳優、教師、出版エージェントなどの職業をへて、80年に『オフシーズン』(扶桑社ミステリー)で作家デビュー。本名はダラス・マイヤー。2011年、ホラー小説への貢献を讃えられ、ワールド・ホラー・コンベンションでグランド・マスター・アワードを受賞
金子浩[カネコヒロシ]
1958年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
69
楽しい休暇が食人族の攻撃で台無し!前半部分、要らないのでは?(笑)特に印象が残らないので、後半の食人族に襲われる部分をもっと長くしてほしかった!!!マージーの奮闘!それにしても子どもって怖い😨😨😨😨😨😨2024/07/02
nukowan
11
「隣の家の少女」「老人と犬」に続いて三冊目のケッチャム本。出だしから不穏なシーンから始まってじわじわと異質な気配が漂ってくる物語。ライターの女性がオフシーズンの間を田舎へやってきて妹とその彼氏らを呼んで休暇を楽しむはずが……。ですよ。これもう怒涛の展開で、ホラー映画を観ているくらいに息を呑んで「どうなるの?!」とページをめくっておりました。警察パートと同時進行で「はやくはやく!」と念じながら読んでました。まさかあのひとが死んでしまうなんて。エグい描写満載ですが、おすすめできる一冊です。残酷耐性ある人向け。2024/01/31
リュウジ
10
★5 著者は知る人ぞ知る、伝説のイヤミス「隣の家の少女」の人。その人のデビュー作を本屋で見つけてしまうとは思いもしなかった。思いもしなかったのは、この小説に登場するほぼ全ての人たちもそうだったであろう。犯人たちを含めみんな平穏に暮らしていたのに、約30時間後には全員が絶望の底で横たわる。特筆すべきは何といっても死の描写。人の残酷な死をそれを見ている人の目を通し精密かつ丁寧にディティールまで描いていく。ホントこの作家はイカレている。残酷かつ救われない、最高の絶望感。これをいい小説だと思う自分もイカレている。2020/08/27
はな
7
オフシーズンのメーン州の避暑地に古い一軒家を借りて仕事を始めたローラ。引越しのその日にその家でパーティをするために集まった友人とローラを悲劇が襲う。地元の洞窟に潜んでいた食人族が襲い掛かったのだ。あー、凄いの一言。集まった友人のプロフィールを描写する時から何かが起こりそうな予感がビンビンする。食人族の残酷な食人の描写に気持ち悪くなり、都会人のマグナムでの反撃に大興奮する。余りにも過激な描写で、処女作を削られたケッチャムは、英国で出版された本作では過激さを幾分取り戻せた。その特別編が本作だ。キング絶賛。2020/04/01
HARUYOI
6
都会人VS食人族の戦いと言えば単純そうだが、知性を武器に戦ってきた(生きてきた)文明人と、自らの体を武器に原始的な生活をしてきた食人族の明白な境が暴力の前にぼやけていく様が面白かった。 過激な描写が議論されがちだが、本当にグロテスクなのは人間の本能で、欲を満たすための暴力も生へしがみつく本能も闇が深くそれでいてシンプルで、ケッチャム氏は下品にならず綺麗に表現している。 胸が悪くなる話ではあるけれど、人間の根本的な恐怖を体感できる本だと思う。2023/04/26