扶桑社ミステリー
ポップ1280 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 375p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594082697
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

究極のノワール 復刊!

『このミステリーがすごい!2001年版』(宝島社) 海外編 第1位

『同 2019年版 キング・オブ・キングス』(過去30年のベスト10) 海外編 第5位

「安物雑貨店(ダイムストア)のドストエフスキー」
――ジェフリー・オブライエン(本書所収評論より)


「トンプスンの最高傑作は他とは別格で、
ハメットの『赤い収穫』と比較されるべき
犯罪文学の金字塔。この魂の荒涼が吐きつける
言葉に震撼させられずしてハードボイルドの
なんたるかはとうてい語れまい」
――中条省平(フランス文学者)


ポッツヴィル、人口1280。この田舎町の
保安官ニックには、心配事が多すぎる。考
えに考えた結果、自分にはどうすればいい
か皆目見当がつかない、という結論を得た。
口うるさい妻、うすばかのその弟、秘密の
愛人、昔の婚約者、保安官選挙……だが、
目下の問題は、町の売春宿の悪党どもだ。
思いきった手を打って、今の地位を安泰な
ものにしなければならない――饒舌な語り
と黒い哄笑、突如爆発する暴力! 人間の
底知れぬ闇をえぐり、読者を彼岸へとみち
びく、究極のノワール。巻末にトンプスン
再評価のきっかけとなった歴史的評論を収
録のうえ、新装版で復刊!〈解説・吉野仁〉


Jim Thompson
ジム・トンプスン
1906年生まれ。職業を転々としながら作家活動をつづけ、42年に初長編を出版。49年に犯罪小説に転じ、その後、ペイパーバック・オリジナルを書きとばす。50年代なかば、S・キューブリックの映画製作にかかわる。小説が斜陽となると、TV脚本にも従事。作品がすべて絶版の状態で、77年に死去。死後、ようやく作品の再評価がはじまった。

〈扶桑社ミステリーのジム・トンプスン作品〉
『グリフターズ』
『おれの中の殺し屋』
『ポップ1280』
『失われた男』
『荒涼の町』
『残酷な夜』
『この世界、そして花火』

内容説明

ポッツヴィル、人口1280。この田舎町の保安官ニックには、心配事が多すぎる。考えに考えた結果、自分にはどうすればいいか皆目見当がつかない、という結論を得た。口うるさい妻、うすばかのその弟、秘密の愛人、昔の婚約者、保安官選挙…だが、目下の問題は、町の売春宿の悪党どもだ。思いきった手を打って、今の地位を安泰なものにしなければならない―饒舌な語りと黒い哄笑、突如爆発する暴力!人間の底知れぬ闇をえぐり、読者を彼岸へとみちびく、究極のノワール。巻末にトンプスン再評価のきっかけとなった歴史的評論を収録のうえ、新装版で復刊!

著者等紹介

トンプスン,ジム[トンプスン,ジム] [Thompson,Jim]
1906年生まれ。職業を転々としながら作家活動をつづけ、42年に初長編を出版。49年に犯罪小説に転じ、その後、ペイパーバック・オリジナルを書きとばす。50年代なかば、S・キューブリックの映画製作にかかわる。小説が斜陽となると、TV脚本にも従事。作品がすべて絶版の状態で、77年に死去。死後、ようやく作品の再評価がはじまった

三川基好[ミカワキヨシ]
1950年生まれ。早稲田大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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くさてる

30
奇妙で、勢いがあって、黒いユーモアがあって、グロテスクで、下品で、政治的にまったく正しくなくて、恐ろしい。主人公の空っぽで浅い内面は、のぞきこむとどこまでも深く黒いのかもしれない。二週間で書き上げたというのも納得できる乱暴なストーリーなんだけど、異様な迫力に満ちている傑作だと思いました。2020/08/08

かわうそ

29
愚鈍を装いつつ目的を達成するためには明らかに過剰な悪事を淡々と遂行する主人公の姿と、やや棒読み風で軽妙な語り口の対比が、知性は高いけど中身が空虚なサイコパスをいい感じに表現していて非常に面白かった。他の作品も読んでみたいのでなんとか復刊していただけないものか。2019/08/21

バ度ホワイト

26
究極のノワールと帯に書いてあったが、読んでみるとこれブラックコメディだ。単なる犯罪ものではなくて、傲慢な人間の醜さや滑稽さを描き、小さな田舎町を舞台にキリスト教社会アメリカを皮肉ってる。訳も読みやすく物語がスッと頭に入るけれど、なかなか奥深い話。ラストにモヤっとしたが、時代背景などなど解説に助けられた。2020/11/18

こうすけ

16
面白かった。こんなやばいやつの一人称語りは危険すぎる。後半、急に宗教めく感じもよい。2021/11/30

Takashi Takeuchi

14
長い積読からのトンプソン初読み。20世紀初め人口1280人の田舎町の保安官ニックは頭が悪く臆病でいつも姉さん女房に怒鳴られている。仕事もやる気がなく住民にもバカにされている。そんな男がなぜ何年も保安官でいられるのか?その秘密が明かされるにつれ不謹慎ながら痛快でおかしくて、、しかしやがて怖くもなってくる。「安物雑貨屋のドストエフスキー」と評されるトンプソン。言い得て妙。明かす部分と明かさない部分のバランスが好き。ダーティワード満載ながらおもしろい!2022/05/27

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