世界標準の戦争と平和―初心者のための国際安全保障入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 319p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594082338
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「安全保障って、さっぱりわからない」「尖閣とか北朝鮮とか沖縄基地問題とか、難しそう」「ニュースを見ても理解できない」「ミギとかヒダリとか怖そうな話ばかりが飛び交っていて、かかわりたくない」……。
そんな読者に向けて、米コロンビア大学大学院で「軍事・安全保障論」の修士号を取得した著者が、兎に角「わかりやすく」をテーマに懇切丁寧に説いた入門書です。
「こんなにわかりやすい話だったのか!」と目から鱗の話が満載で、読み始めると途中で止められないこと請け合いの面白さ。最後まで読めば、世界情勢がこれまでよりずっとクリアに見えてくる! ニュースを深く理解できるようになる!

この本で強調される大切な考え方
●世界の安全保障の主舞台は「海」である。
●「海」と「陸」の視点から世界や歴史を見ると、戦争と平和の話の理解が容易になる。
●安全保障は軍事とイコールではない。
●実際に必要な12の思考
・リスクを見積もる時、自国政府の公式声明や公式文書、報道発表だけに依存してはならない。
・自国政府の公式声明や公式文書、報道発表だけに依存した報道や論考、主張は警戒する。鵜呑みにせず疑う。
・100年単位、世界地図単位のビッグピクチャーから現実を見る。
・自国の視点だけから考えていてはいけない。相手国の視点から見れば、同じ現実でもどう見えるのかを考える。
・シグナリングを見落とすな。
・国際関係は異文化交流である。自国の価値観で他国の行動を評価・予測してはならない。
・事実と願望を混同してはならない。
・外政と内政は連続して一体である。
・2国間での政策は、他国との関係にも影響する。世界は2国間ではなく多国間で成り立っている。
・安全保障政策はベネフィット・ロスの差し引きである。
・「好き嫌い」「善悪」「勝ち負け」などの価値判断は現実を理解する敵である。
・政策決定は多様なプレイヤーが参加する重層的なプロセスである。単層的な思考をしてはならない。

内容説明

国際社会は「経済力」「政治力」「情報力」「軍事力」=「力」のぶつかり合いである。それぞれが「国益」を最大化しようと主張と行動を繰り広げる。そんな現実のなかで生き残るための思考の方法を、初心者でも理解できるよう基礎から丁寧に説いていく。目からウロコの話が満載。

目次

第1章 海と核兵器(「陸」「海」「空」でもっとも重要なのは?;「海」が重要な理由 ほか)
第2章 シーパワーとランドパワー(地政学という考え方;国際標準で言う地政学の位置 ほか)
第3章 「安全保障イコール軍事」という誤解(安全保障政策は包括的;クライシス=セキュリティが破れた状態 ほか)
第4章 ケーススタディ 尖閣諸島(尖閣諸島と中国の戦略的動機;ビッグピクチャーで見る ほか)
第5章 普遍的な見方(本音の見極め方;異文化とは不可解なものである ほか)

著者等紹介

烏賀陽弘道[ウガヤヒロミチ]
1963年、京都市生まれ。京都大学経済学部卒。1986年、朝日新聞社に入社し名古屋本社社会部などを経て1991年からニュース週刊誌『アエラ』編集部員。1992年に米国コロンビア大学国際公共政策大学院に自費留学し、軍事・安全保障論で修士号を取得。1998~1999年に『アエラ』記者としてニューヨークに駐在。2003年に退社してフリーランスの報道記者・写真家として活動している。これまでに19冊の著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サトシ@朝練ファイト

39
随分と勉強になりました。「陸海空」のうち、現代の国際安全保障政策でもっとも重要な空間は「海」であり、その理由は・・・。安全保障イコール軍事ではなく、国際安全保障政策は「経済」「外交」「情報」「メディア」を包括的に網羅した「総合政策」である。本の内容事態はかなり取っつきやすいので飽きることなく読み進められます。2020/01/01

こも 旧柏バカ一代

27
難しかった。初めて知った事が多い。海が重要な理由とか、空母がどういう事だったのか。。トランプが空母をあの海域に出した理由とか今ならわかった。2020/04/12

wiki

23
素人とプロをつなぐ良書。先だっての安全保障関連法案の議論に際し、いかに常識外れの論が横行していたか。国を縛る法律がない以上、国際社会で戦争ほかを防止するには「『それを実行したら損だ』と思わせるしか方法がありません」と。そうした抑止力の一つに「皆殺しに遭う損」の存在する核がある現実も執筆している。だが人間不信の塊たる存在の核は、人類として断固廃絶するとの意思は必ず持つべき。互恵的かつ分配的な経済的文化的にも親近感を抱く信頼関係を何とか築いて「それを実行したら損」と思わせる外交努力は官民ともに推進すべきだ。2020/04/29

Satoshi

13
著者のYoutubeチャンネルを見て、本書に興味を持った。尖閣諸島問題に関する考察は目から鱗だった。中国の脅威を殊更に強調することは世論をミスリードしかねない。日本国内に米軍基地があることは「アメリカが日本を守ってあげている」だけでなく、「アメリカの安全保障上でも重要」なことなので、互いにWin-Winである。中国がアメリカや日本に戦争するメリットはなく、中国漁船によるEEZ内での操業は韓国や台湾のほうが深刻であり、韓国では死者が出るほどの事態になっている。本書を読むまで知らなかったことばかりだ。2022/11/12

kenitirokikuti

12
図書館にて。「初心者のための国際安全保障入門」と副題されている。著者が1992年頃に米コロンビア大に社会人留学したときのあれこれ語りを読むと、想定読者層は昭和末期〜平成初期にべったりと朝日新聞社会部的な人たちではないかと見えた。本書の刊行は2019年なのだが、当時の米東海岸リベラル派の安全保障論者でも核戦略を前提にしていることを知って驚いた、といった角度の事柄を、あなたもそうだったでしょう?といったニュアンスで書かれている。平成初め頃、私は大学に入学した頃なので、同調しがたかった。2024/07/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14532419
  • ご注意事項

最近チェックした商品