出版社内容情報
第二次世界大戦中、ユダヤ人の亡命を助けていた少年ピノは、ドイツ軍に徴兵される。その後、イタリアのためスパイ活動をするが・・・
内容説明
アルプス山岳ルートを用いたユダヤ人の逃亡支援を続けていたピノは、軍役に就くためミラノに呼び戻される。1944年夏、ひょんなきっかけからナチスの高官ライヤース少将の運転手に指名されたピノは、そこで働きながらひそかにスパイとして反ナチス運動に協力することを決意する。運命の女性との再会、垣間見るナチスドイツの内幕、次々と訪れる親しい人々の死…。数奇な運命に翻弄されるピノを待ち受ける未来とは?実在したレジスタンスの半生をもとに描かれた驚愕の傑作戦時冒険小説!
著者等紹介
サリヴァン,マーク[サリヴァン,マーク] [Sullivan,Mark]
1994年に作家デビュー。10年に及ぶ取材を経て書かれた著者初の歴史小説となる『緋い空の下で』の大ヒットで、ベストセラー作家の仲間入りを果たす。モンタナ州ボーズマン在住
霜月桂[シモツキケイ]
東京生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさうみ
29
最後は一気読みだった。切ない、辛い。戦争が産む憎しみと悲しみに言葉を失うことの連続だ。戦時は虐げられていた者たちが戦後虐げる立場に変わるエグさに心を引き裂かれる。(しかし自分もそんな苦しみを味わったら赦すことなど出来ないだろう)二度と繰り返さぬようにとの想いがひしと伝わる、心に刻む物語だった。2020/07/14
ネコベス
27
1943年ミラノに暮らす青年ピノは空襲を避けアルプス山中に疎開。そこで神父からナチスに追われるユダヤ人をスイスへ逃がす案内役を任される。ピノは次第に危険な状況に身を置くようになる。アメリカ人の著者が実在の人物の数奇な運命をインタビューして物語として再構成した戦時下冒険小説。戦争に巻き込まれた青年とその家族を襲う悲劇を波乱万丈に描いている。内容はまあまあだがナチスを分かりやすい悪役として叩きその一方で連合国側の特にアメリカの絶対正義を疑わない自国の無謬性を素朴に信じる著者の心性に釈然としない気持ちが残った。2019/07/25
Small World
26
とても読みやすく、一気に読んでしまいましたが、結局はこうなるのか.....と、いった印象です。登場人物の死を背負っていくのは重たいです。最後の方はルポっぽさが出てきて、登場人物たちのその後が語られていくとこなんかは、あらためて実話らしさを感じさせてくれました。2019/07/25
Atsushi Kobayashi
23
もしかして今年一番かも。とても本当にあったこととは思えない、紙一重x危機一髪x命儚いx戦争理不尽xここまで人間は醜くなれるx事実は小説よりも奇なり を3乗したぐらい驚きました2019/06/19
emitaku
15
第二次世界大戦下でのイタリア(ミラノ)の状況や市井の暮らしぶりを知り得たという点で、読んでよかったと思う一冊。ノンフィクションであれ小説仕立てのノンフィクションであれ、風化してしまうまえに良心の記録は書き残してもらいたいと思うしだいです。2019/07/19