内容説明
1901年、米国バッファロー。作家を目指す24歳のイーディスは、英国紳士トーマス・シャープ卿と出会い、恋に落ちる。結婚に反対する父カーターは密かに探偵を雇ってトーマスと姉ルシールの身元を探らせるが、非業の死を遂げる。晴れてトーマスと結ばれ、英国カンバーランドで新婚生活を始めるイーディス。だが、朽ちかけた古い館で起こる奇怪な出来事や謎めいたルシールの言動に、次第に不安と孤独に襲われる。愛する夫に隠された秘密とは?血塗られた館の歴史と真実が今、明らかになる…!
著者等紹介
ホルダー,ナンシー[ホルダー,ナンシー] [Holder,Nancy]
1953年カリフォルニア州生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校卒業。ブラム・ストーカー賞を5度受賞し、現在は米国ホラー作家協会の副会長を務めている
阿部清美[アベキヨミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
46
幽霊屋敷モノが大好きなので無条件で手に取りましたが、ノベライズとはいえ、デル・トロ文学炸裂でした。内容は王道そのものではあるのですが、「20世紀初頭、北イングランドの朽ちかけた古い館に嫁いできたヒロインに起こる奇怪な現象」というだけでも(良い意味で)お腹いっぱいなのに、デル・トロならではの残酷さも加えられ、単なるゴシックゴーストストーリーではなく、ホラーとして十分確立しています。衣装や舞台装飾など、これでもかとこだわりのあるデル・トロのことなので、映画も併せて堪能してきたいと思います!2016/01/22
うめあじ
3
ホラーだけでなく美しい恋愛ものとしても読み応えがあります。小説を読めば読むほど映画版もよりよく楽しめました。それぞれの思い、過去の話などとてもよく分かりキャラクターたちがもっと大好きになりました。2016/01/25
H_hipo
1
さっと読み終われてとてもよかった。キャラクターの心理描写がわかるぶん、映画の理解力がより深まった。女は怖いね……!2016/03/20
オラフシンドローム
1
★★★★☆ 映画の原作本の割に、とても面白かった。 イーディスの、トーマスへの愛情の裏で、忍び寄る不穏な影。読んでいてとてもドキドキワクワクした。映画だと見なくてはいけないグロテスクな幽霊たちも、小説だと見なくてすむし(笑)。 トーマスの最期の想いが切なかった。 そして最後はやっぱりグロかった。2016/03/05
n_kurita
0
映画が好きだったので勢いで買ってしまった。ノベライズにしては良かった。映画の合間の繋ぎ部分であったり、シーンの詳細、また各キャラクターの心情などがかなり濃密に書き込まれていて映画ファンには面白い作りとなっていた。本作はゴシックホラーのテイストでありながらも本質的にはメロドラマであり、それも姉弟を取り巻く愛憎劇となっている。だからこそ姉の愛憎表現にかなり力が入っていた。三者目線での語りから滑らかにルシール主観での語りに変化する箇所など散見するに、書き手もルシールに感情移入しているのではないかと予想される。2017/05/02




