出版社内容情報
日中戦争時、妻から戦地満州の夫へ送った115通の手紙。戦地で生きる支えとなった「手紙」から、戦時下を生きた夫婦間の愛をまとめる。戦後70年の節目に手紙から溢れる愛や平和の大切さを教えてくれる一冊。
内容説明
1944年、激戦の地フィリピン・ミンダナオ島。「ミンタルの虎」と呼ばれた男のそばには、いつも妻からの手紙があった。1946年、復員した夫のリュックの中にあったのは、氷砂糖と干しぶどう、そして、妻からの115通の恋文だけだった。
目次
序章 115通の恋文が今、語りかけてくること
第1章 冬―忘れられぬ夫様へ ひとりぼっちのしづより
第2章 春―貴方はパパ様に、私はママになりました
第3章 夏―お父ちゃん、早く元気なお顔をお見せください
第4章 秋―お父様が恋しくなってペンを走らせております
終章 何も知らないことの怖さ
著者等紹介
稲垣麻由美[イナガキマユミ]
1968年、神戸市生まれ。エッセイスト、ブランディングプロデューサー。株式会社一凛堂代表取締役。ライター・編集者を経て執筆活動をスタート。現在は出版プロデュース、執筆の活動と並行し、経営者・政治家・ビジネス書著者を主なクライアントとしたイメージコンサルティング事業も展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
40
戦地にいる旦那さんに宛てた奥さんからの手紙。奥さんの思いがぎっしり詰まっていました。往復書簡でないのが、ちょっと残念。これ系の本なら、大場栄大尉の本がおすすめです!安保法案が通ったので、もし、もしもですよ?もしも自衛隊が戦地に行くことになれば、こんな思いをするのだろうかと考えてしまいました。そういう視点でも読んだので、複雑な気持ちになりました。2015/09/20
馨
29
戦場に赴いた夫をひたむきに思い、戦地での無事を祈りながら綴った恋文。奥さんメインなので返事はどう書かれていたのか気になりますが夫から返事が来た時のこの上ない幸福感や、すぐ返事を書くところから素敵なやりとりだったことがわかります。戦時下でなければ一緒に暮らし、子の誕生や成長を共に見届けながら普通の生活をする普通の夫婦像であったはず。こんな夫婦当時は沢山いたんだろうなぁ。。2015/08/10
友蔵
15
【Kindle本】戦争体験と簡単に言うけれど、本当の戦争を私達は知らない。私の祖父母も戦争を経験して、台湾で空襲から逃げ遅れて芋のツルをかぶって生き延びた事を教えられた。でも、本当の戦争はとても口に出して言えるような生易しいものではなかったのだろうなと思う。私達は、その多くの犠牲を無にしてはいけない。この平和な世の中を守って伝えていかなければならないと強く思う。2020/09/30
きりんだよ
3
「何も知らないことの怖さ」 終章で著者麻由美さんが書きつづっている言葉、身に沁みます。 戦争を知っている世代が1/4以下になっている現在、戦争になっても仕方ないというような意見を持っている人はぜひ読んでほしい。戦争がいかに愚かな行動か・・・ 電話もメールもない当時、軍事郵便なる軍人と家族の私信というものが何億通もやりとりされていたというのも、驚きでした。 麻由美さん、そして手紙の著者の娘さんである喜久代さん、いろいろなことを伝えて下さって、ありがとう!2015/08/11