内容説明
十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。娘婿のダリルが銃で自殺したらしい、至急来てくれないかというのだ。早速かけつけたキャロラスは、ベッドの上に血まみれで横たわるダリルの遺体と対面する。警察は自殺と判断するが、そう考えるにはいくつか不可解な点があることにキャロラスは気づいていた…。名探偵キャロラス・ディーン再び登場。緻密な細部と大胆なトリック。これぞ英国本格の真骨頂!
著者等紹介
ブルース,レオ[ブルース,レオ] [Bruce,Leo]
1903年、ケント州イーデンブリッジ生まれ。本名ルーパート・クロフト‐クック。さまざまな著作活動を行いながら、ブルース名義で1936年に最初の本格ミステリー『三人の名探偵のための事件』(新樹社)を発表。1979年死去
小林晋[コバヤシススム]
1957年、東京生まれ。クラシック・ミステリを中心に訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
48
ロジック重視の堅実な英国ミステリーですが、自分には少し地味な印象でした。裕福な老女の屋敷『ミンコット荘』で、義理の息子が銃で自殺したと、主人公キャロラスの元へ連絡がきます。すぐさま他殺だと直感し、周囲への聞き込みを始めるキャロラス。しかし屋敷では第二の殺人が、、、。訳は素晴らしいのですが、探偵役の歴史教師キャロラスが、なんだか人間味が感じられません。そういえば、キャロラスの外見的特徴が全く記述されていなかったような…。あと、みんなチョコ食べ過ぎ(*_*)2018/07/02
ごへいもち
22
私には合わないみたいでなかなか読み進められなかった2020/01/02
barabara
18
古き良き時代の安楽ミステリ。落ち着いた物事の運び、なおかつ時代を感じるスイーツの数々に居心地よく時代に翻弄された。真相はこの時代にはかなりのひねりを持って登場。雰囲気のある題名に裏切られることなく最後まで酔いしれた。2014/11/20
本木英朗
15
レオ・ブルースのキャロラス・ディーンものとしては2作目であり、俺にとっては2001年に出た翻訳が最初であった。その翻訳も今回の翻訳の、どちらも小林晋さんということで、それがまたすごいのであった。で、内容についてだが、十一月の深夜、キャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレットから電話を受ける、というところから始まる。果たして彼は事件を解決できるのか、という辺りが見ものである。それにしても俺は2回目であるが、最後まで全く分からなかったよ。さすがレオ・ブルース、そして小林晋さんである。面白かったなあ。2019/06/22
飛鳥栄司@がんサバイバー
15
実によく出来た本格ミステリだ。関係者からの証言を実直に積み重ねていくことで、事件の真相にたどりつく。物的証拠が無いのが少々心残りだが、状況の整理でこれだけ論理的な結論に至るのには脱帽する。終盤のディナーパーティが唐突に開催される箇所はやや強引さを感じるが、結果的に事件関係者が全員勢揃いで探偵が謎解きを披露する探偵小説の醍醐味が味わえる。本作以外のディーンシリーズでも垣間見えるが、動機のちょっとした仕掛けが読みどころだと思う。レオ・ブルースのディーンシリーズはまだまだ未訳が多いので、今後の翻訳に期待したい。2014/09/30
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