内容説明
唯一無二の歌舞伎俳優の人生と雄志。あふれる家族愛と、芸への情熱。フジテレビ系で放送された感動のドキュメンタリー番組9本を元に、十八代勘三郎の生涯と足跡を描く。
目次
第1章 勘九郎誕生
第2章 十八代目中村勘三郎襲名へ
第3章 息子たちを育てる―勘太郎と七之助
第4章 仲間たちとの絆―新作への挑戦
第5章 海外での挑戦
第6章 病と闘う
第7章 最期の日々
第8章 勘三郎がいなくなって
第9章 家族は語る―勘九郎、愛、七之助、そして好江
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
19
勘太郎と七之助の初舞台は1987年の歌舞伎座。勘三郎は当時31歳(50頁)。勘太郎とは、舞台で親子でなく、師匠と弟子。厳しい父の指導。勘三郎が実際に演じながら教え込んでいく(61頁)。『仮名手本忠臣蔵』は1748年、大阪竹本座で初演された人形浄瑠璃。作者は二世竹田八雲、三好松洛、並木川柳(65頁)。勘三郎は五役をも演じた。戸無瀬(となせ)は初役で岳父の中村芸翫に教えを乞うた(67頁)。舞台に出てくるまでの血の滲むような努力が観客の見えないところでは続いていた。 2014/10/13
みのじ
1
この本の元になっているテレビドキュメンタリーは欠かさず見てきたので読みながら映像が浮かんできた。 前半は大胆な発想で新たな挑戦をし続ける姿、そして病と闘う後半には胸が詰まる思いがした。 歌舞伎を愛し観客を愛し家族を愛し、そして多くの人に愛された中村勘三郎。 その舞台をもっと見ておきたかった…新しい歌舞伎座で演じる姿を見たかったとあらためて思った。2017/01/24