内容説明
1941年6月22日。ドイツが不可侵条約を破りソヴィエト連邦への侵攻を開始した日。レニングラードで暮らす、まもなく17歳となるタチアナにとってもそれは運命の日となった。保存食の買いだしに出かけたタチアナは、バス停で赤軍の若き将校アレクサンドルと出逢う。初めて感じる激しいときめき。彼女は荷物を一緒に運んでくれたアレクサンドルを家に連れ帰るが、そこで彼が姉のダーシャの想い人であることを知る…。戦時下のレニングラードを舞台に究極の愛を描き出す感動巨編、ここに開幕。
著者等紹介
シモンズ,ポリーナ[シモンズ,ポリーナ][Simons,Paullina]
1963年生まれ。10歳までレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)で過ごす。その後、家族で移民としてアメリカに移住。処女作『Tully』以降、ロマンティック・サスペンス、ミステリー、ヒストリカル・ロマンスの分野で次々と話題作を世に問う。現在、夫と4人の子供とともにニューヨーク近郊に在住
富永和子[トミナガカズコ]
東京生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業。英米翻訳家。『スター・ウォーズ』のノベライズ(ヴィレッジ・ブックス他)をはじめ、ミステリー、ロマンスにも訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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まみ子
8
戦時下の旧ソ連を舞台にしていて、歴史的にもしっかりした話で面白いです。まだまだ若いヒーロー・ヒロインが、家族や戦争といった障害をどのように乗り換えていくのか、これからの展開がとても気になります。双子の兄弟を探すため前線に向かうヒロインにホロリとさせられました。2017/03/12
veri
8
青年将校に手をとられ、少女は女性へと翔け上がる。やわらかな精神を持つが故、家族とも理解し合えない少女ターニャ。深い過去を持ち、なんとか折り合いをつけて生きるアレクサンドル。第二次世界大戦下のロシア(ソヴィエト?)を舞台にもどかしい恋が展開される。まだまだ序章なのだけれど、早く続きを読みたいと思わせる切なさ、やるせなさ、悲哀が詰まっている。彼らのこれからの選択を想像しつつ次巻へ。2015/05/28
黒崎ディートリッヒ
5
第二次世界大戦下、ドイツ軍の侵略がはじまったばかりのロシア。17歳の少女タチアナは、食料を買いに行く途中に出会った赤毛の青年将校、アレクサンドルに一目惚れ。だが彼は、彼女の姉ダーシャが恋する男だった!! ヒストリカル・ロマンス。ダブルヒロインもの。20世紀の第二次世界大戦只中、ソビエト時代のロシアが舞台という、シリアスで時代背景のせいかちょっと硬派に感じるロマンス。ヒロインは貴族などではなく平民の女性で、ヒーローは幼いころの事件がきっかけでロシア人として生きるアメリカ人の青年。この設定が良い感じでした。2014/12/22
Alaskans
5
タチアナとアレクサンドルの恋愛を軸にして旧ソ連の体制、社会、レニングラードにおける攻防戦を市民側の視点から描いている。何も知らず希望や期待感を抱いていたヒロインが戦争の現実に直面するコントラストがよく効いている。2013/09/07
rikako
5
“無償の愛・翻訳版”ということで貸していただいたので読んでます。「レニングラード上」だけでは、誰から誰への無償の愛なのか量りかねるところですが、この2人の切ない気持ちは十分に伝わってきますね。ただの恋愛小説というか禁断の愛の物語にとどまらず、戦争という背景もこの小説の魅力の一つだと思います。続きが楽しみです。2013/03/07
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