出版社内容情報
少女が失踪。誘拐かテロの序章か? ローマ、ナポリ、アマルフィ海岸・・・イタリアを舞台に壮大なスケールで描かれるサスペンス超大作! 外交官・黒田が見出した事件の全貌とは・・・。
フジテレビ開局50周年記念、織田裕二主演の超大作映画の原作本。真保裕一ならではのエンターテイメントサスペンス小説。
内容説明
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスは、愛する妖精の死を悲しみ、世界で最も美しい地にその亡骸を埋めて街を作った。その街の名は―アマルフィ。まさしく我々が命を懸けるに相応しい作戦名だった。ローマで日本人少女が誘拐。真相を追い、外交官黒田がイタリアを駆ける。サスペンスの名手真保祐一が書き下ろす、エンターテイメント小説の新境地。
著者等紹介
真保裕一[シンポユウイチ]
1961年東京都生まれ。アニメーションディレクターを経て、91年『連鎖』(講談社文庫)で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。96年に『ホワイトアウト』(新潮文庫)で吉川英治文学新人賞、97年には『奪取』(講談社文庫)で日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をダブル受賞、06年『灰色の北壁』(講談社文庫)で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaC
134
映画を観てだいぶ後悔した思い出がありながら、「映画とは違う点もいくつかある」という作者の言に唆されて読んでみたけれど、どこがどう違うのかよくわからなかった。しかし、映画じゃないのなら舞台がアマルフィである必要はないのでは?なんて思ってしまった。黒田康作の活躍エチオピア編(ソマリア編?)は無いよね?2016/11/06
がたやぴん
95
絶妙なのか微妙なのか、決めかねる。続編を読みたいとは思っているので悪い作品ではない。映画はしっかり見ておらず、イタリアの景色と織田、天海のみが脳内を支配した状態から読み始めた。誘拐物からの発展は早期に予測がつき、デコイもお約束に近く展開は予想どおり。映像化ありきの作品であると考えると仕方がない。また、あのコードネームから更に2、3名の関わりを予測したがハズれた。あとひと展開欲しかった。2017/01/22
修一朗
84
はぐれ外交官が,外国の警察やテロリストを相手に誘拐事件を解決,という物語なんですけど…薄っぺら感否めませんでした。複雑なチェチェン紛争,官僚そのものの外交官の硬直した組織,イタリア警察との対決,世界遺産アマルフィのなりたち等,魅力的な題材はあるだろうに,深く入らずに,単なる警備システムを使ったミステリィになってしまった。現地取材なし。読メ皆さんのコメント通り,ストーリー的には外国である必然性なし。映画ではずれたアイデアを復活させて小説化したらしい。映画2009HIHOはくさい映画賞主演男優賞,脚本賞…2014/04/06
再び読書
77
「デパートに行こう」に続いて読みました。終盤は「ホワイトアウト」を彷彿させる、息もつかせないラストで、面白く読めました。映画は見ていませんが、結構黒田と織田裕二のイメージが合って、DVDも見たくなりました。しかし、オシムやストイコビッチの母国ユーゴスラビアの様に、民族、宗教の争いは島国の大和民族には、理解が及ばない。外交官の仕事内容に、怒りを覚えながら、一気に読み終えました。「アンダルシア」に進みます。2013/07/15
ALATA
76
邦人保護担当特別領事、あまり聞きなれない特別任務を担う外交官が少女誘拐、国際テロに挑む。真保さんお得意の小役人シリーズ。ホワイトアウトのようなの熱血漢とちょっと違うクールな印象があり、登場シーンは小じゃれた感じで掴みはOKといったところ。世界遺産、アマルフィを舞台に事件解決に奔走するストーリーは映画化を意識してのことなんですね、納得★4※事件が解決し紗江子と会わずに颯爽と立ち去る康作。最期はちょっとハードボイルドでいい感じです。2022/05/09