内容説明
1952年冬、阿寒湖畔の雪の中から、少女の凍死体が発見された。当時、新進の天才画家と言われた18才の時任純子だった。汚れながらも純潔を守り、18歳の若さで夭折した純子。渡辺淳一が自伝的な要素を踏まえながら、一人の女性への思いを綴った悲恋小説の傑作。実話を基にした青春へのレクイエム。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shinji
96
渡辺淳一さん、2冊目です。実際に会っていれば純子の魅力に抗えないのでしょうが、その言動には少し眉をひそめたくなりましたね。一般論としてアーティストというのはそういうものかも知れません。その上、北海道内とはいえ「天才少女」としてもてはやされる事はプレッシャーなんでしょう。画家、記者、医師、カメラマン… 男というものはどんな立場であっても言い寄る女性に弱いもんですね。読んでる最中は特に感想を持たなかった作品ですが、終章と著者あとがきを読んだ後は、郷愁感が漂う阿寒の景色が心に浮かびました。2017/05/24
みかさ
5
高校生の頃に読んで、とても印象に残り、また手に取ってみた。あの頃にわからなかった純子の思いなどが、今ならわかる気がする。2014/06/12
ラムネ
2
夭折の天才少女画家。男はいつから大人になるのだろうか。何を経験すれば大人だと言えるのだろうか。その少女の周りでは、未成熟な若者も、名うてのプレイボーイも、経験豊かな大人の男も、彼女を導くべき立場にあった者も、その誰もが弄ばれ嬲られる。かろうじて被っている大人の顔を剥がされる。それでも男たちは皆、少女を愛するのだ。哀しくも忘れることのできない少女への愛。渡辺淳一の自伝的悲恋小説。2015/09/10
koua_1124
0
「赤」が印象的な作品2007/03/09
tabisaki
0
実に感傷的ですね。2010/01/22
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- 和書
- 豪快!野生を喰らう