扶桑社ミステリー
ひそやかな復讐〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 541p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784594053789
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

みんなから愛されていた少年ロビンが変わり果てた姿で発見されたのは、ある母の日のことだ。家族が目を離したわずかな隙に、木の枝から首をくくられ、ぶら下げられていたのだ…それから12年。ロビンの死はいまもなお暗い影を落とし、家族は徐々に崩壊への道を歩んでいた。事件当時、まだ赤ん坊だった末妹ハリエットは、頭の切れる少女に成長し、自分たちの不幸の原因へ目を向けた。すなわち、ロビンの死の真実を探り、犯人に裁きを下すのだ。こうして、ハリエットの危険な夏がはじまった―。

著者等紹介

タート,ドナ[タート,ドナ][Tartt,Donna]
1963年、ミシシッピー州生まれ。ミシシッピー大学在学中に才能を見いだされ、92年に発表した『シークレット・ヒストリー』で全世界にセンセーションを巻き起こした。その後、10年の沈黙を経て、第2作となる『ひそやかな復讐』を発表。ふたたび大反響を呼んだ

岡真知子[オカマチコ]
神戸大学文学部英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

23
ちょっと癖のある女の子視点から始まる兄の死の謎を探るサスペンス。2020/01/09

Foufou

6
少年の不慮の死。あたかも自然が真空を嫌うように、言葉が、物語が、その不在を埋めるべく増幅し、結晶し、燦然と輝く。その輝きに浴すること。それこそは本読みに与えられた特権であると思わず声高に叫びたくなります。トーマス・マン風の格調高き年代記の面影ありつつ、ギュンター・グラスはたまたラテンアメリカ文学のシュールな場面が随所に溢れ出し、かと思えばプルーストよろしく滔々たる記憶の川の遡行、はたまたドストエフスキーばりの熱に浮かされた会話が延々と続き、笑いあり、涙あり、いやはや大変な作家がいたものです。いざ下巻へ!2018/09/29

sattin

4
兄の死亡後の流れがなんか日常的でちょっとだらだらしてるかな。何も起こらないまま上巻終了。でも読ませる筆力は流石ですが。この人の作品には、日常にいる罰されない犯罪者予備軍みたいな人が多いなと思う。ハリエットがかっこいいね2017/01/21

Ayako H

4
図書館から。ゴールドフィンチに続いてドナ・タート2作目。丁寧に丁寧に物語が進むので、時々めげそうになります。ん?なんでこの人についてこんなに語られるんだ?と。12歳の少女がどんな復讐をするのでしょうか。下巻に期待しています。2016/10/05

かんやん

4
言葉の海に溺れる。読んでも読んでもなかなか進まない濃密さ。12年前に殺された兄の死の真相を、12歳の女の子が探り、復讐を遂げようとするというプロットはあるにはあるけれど、とてもそんなサスペンスとかミステリーには収まりきれない豊かさがある。祖母の姉妹たちや黒人の家政婦はなんと魅力的に描かれていることだろう。挿話が次々に枝分かれし、細部は冗漫で冗長で時に退屈で、それでいて長編小説ならではのゆったりとした楽しい読書体験を与えてくれる。2015/03/25

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