扶桑社ミステリー
チベットの薔薇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 580p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784594052508
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

著者ライオネル・デヴィッドスンは、出版社の社員として、ある手記にめぐり会った。それは、一介の美術教師の手になる、驚くべき冒険の記録だった―この英国人は、チベットで消息を絶った弟の行方を追って、遠くヒマラヤの奥地へ潜入した。そこは、輪廻転生を信じ、独自の世界観を持つ人間たちが住む、神秘的な土地。そしてまた、中国が覇権を狙う危険な領域でもあった!CWAゴールド・ダガー賞を3度受賞した巨匠が、現実と虚構の狭間に語りおこした冒険ロマンの歴史的名作。

著者等紹介

デヴィッドスン,ライオネル[デヴィッドスン,ライオネル][Davidson,Lionel]
1922年、英国ヨークシャー生まれ。雑誌社勤務を経て、冷戦下のヨーロッパでフリーの記者として活躍。60年に『モルダウの黒い流れ』で作家デビュー、CWAゴールド・ダガー賞に輝く。その後『シロへの長い道』『チェルシー連続殺人』でもゴールド・ダガー賞を受賞。2001年には生涯功労賞ダイヤモンド・ダガーを受けた

小田川佳子[オダガワヨシコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

66
1950年から1951年にかけて起こったとするチベットでの冒険活劇。映画撮影隊として現地で消息を絶った弟の捜索のためチベットに乗り込んだ売れない画家ヒューストンはヒマラヤの峰を超えチベット(シッキム)に辿りつき羅刹女を敬う独自宗教の宮殿で輪廻の侵略者として受け入れられる。尼僧院長のメイ=ファと運命的な出会いをするが、政権樹立直後の中国共産党軍の侵攻により宮殿ごと避難の危険な旅に出る。だが、中国軍に発覚し攻撃を受ける…。作者の意表を突くダイナミックかつ緻密な物語設計能力に圧倒された一書であった。推理100。2022/12/14

NAO

55
イギリスの美術教師が弟の生死を確認するためにチベットへ向かった1950年1月から17ヶ月を描いた冒険ミステリ。チベットまでの過酷な旅や政権樹立直後の中国共産党軍による侵攻が現実的なことがらなら、目的地ヤムドリンの修道院を取り巻くのは「古くからの言い伝え」「生まれ変わり」「予言」など密教を主体とした非現実的な世界。この二つの異質な世界観がせめぎ合う中に何も分からない状態で投げ込まれたヒューストンが、いかに行動したか。ハラハラドキドキが止まらないロマンあふれる冒険劇。2023/01/02

ヴェチョ

3
難しい所、突拍子もない処はすべて何らかの力が働いた、偶然だった、未だによくわからない、など終始煙に巻かれた形で面白いような、面白くないようななんともいえない文章だった。問題を突き出してるわけでもないので娯楽として読むものなんだろうけど、弟との再会して笑いまくったシーン後の淡白さはなんだったんだ?ガイド役の忠誠心はどこから?結局その人はなんだったの?とかやっぱりしこりが残る。2018/04/28

DearestAnna0109

1
初見の英国の作家さんです。 寡作な作家さんのようですが3度もCWAゴールド・ダガー賞を受賞されています。 この作品は著者の2作目でイギリスとアメリカで1962年に刊行されており 40年以上も経ってから翻訳出版されたようです。 話としては主人公がチベットで行方不明になった弟を探しに行く冒険譚ですが、1951年の中国によるチベット併合が絡んでくるあたりが読みどころの一つでした。 この本を買った理由はタイトルに惹かれたのが一番ですが、長年チベットそのものにも興味があったからでした。 続2022/03/08

Coders

1
異文化に放り込まれた西洋人の冒険物語。主人公をサポートする現地人の活躍 で難を逃れる。「シャンタラム」のチベット版といったところ。2015/12/12

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