扶桑社ミステリー
炎に消えた名画(アート)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784594047733
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

若き美術評論家フィゲラスは、ハングリー精神を武器に頭角を現わしてきた。そんな彼に、ある老画家に面会する話が持ちかけられる。その人物こそ、現代美術史上最も重要な存在でありながら、作品はすべて火災で失われ、その後は沈黙を守っている、まさに幻の画家なのだ。彼に会うだけでも世界的事件だ。だが、この話にはとんでもない裏があった…あふれるペダントリー、予測不可能な展開、芸術の深層を衝く驚愕の謎!偉大なるパルプ作家が放つ、史上最強のアート・ノワール。

著者等紹介

ウィルフォード,チャールズ[ウィルフォード,チャールズ][Willeford,Charles]
1919年アーカンソー州生まれ。幼くして孤児となり、流浪の青年時代を送ったのち、年齢を偽って陸軍に入り、めざましい戦果をあげる。53年に長編デビュー。長く不遇だったが、80年代に再評価され、カルト的な人気を得た。88年に死去

浜野アキオ[ハマノアキオ]
1961年生まれ。京都大学文学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タナー

7
ウィルフォードの作品を手にしたのは、覚えている限りではこれで三作めだ。1950年代のノワール作家として、あのジム・トンプスンと同じように1980年代に入り再評価され、カルト的な人気を得ることとなる。今作はただでさえ数少ないウィルフォードの作品の中でも、なかなか入手出来なかった1冊。ずっと読んでみたいと思っていた。読み始めてみたら、もう殆ど一気だった。この時代特有の、というか、いかにもノワール的な雰囲気が、自分はとても好みだ。期待していた以上に楽しめた。映画化作品も是非とも観てみたい。 2021/01/27

オーウェン

4
若くして美術評論家として成功しているフィゲラス。 そのフィゲラスが伝説とされる画家にインタビューすることになるが、そこには裏が。 アートノワールの作品なのだが、フィゲラスの過去が後の展開にサスペンスを生む要素。 とはいえ300ページにもない中でかなり蘊蓄が多いし、予想できる範囲の出来事だとあまり驚きはない。 アート系に特化した方がよいかも。2019/03/01

Susumu Kobayashi

1
いわゆるノワールに分類される作品としては初めて読んだ。新進気鋭の美術評論家ジェームズ・フィゲラス(プエルトリコの出自)は、弁護士でコレクターでもあるジョゼフ・キャシディから奇妙な依頼を受ける。幻のシュールレアリスム画家ジャック・ドゥビエリューがアメリカに移住し、彼とのインタヴューを斡旋する代償として、画家の作品を一枚盗めというのだ。ドゥビエリューとのインタヴューが実現すれば、フィゲラスの美術評論家としての地位も高くなるはずだ。フィゲラスは依頼を受けるが……。後半の展開に説得力がないと思った。2013/08/09

左近

0
新進気鋭の美術評論家に、隠遁生活を続ける幻の画家と面会する話が持ち込まれる。非常に魅力的なオファーだったが、「コレクターのために作品を盗め」という厄介な条件が付いていた…解説によると、死後に隠遁生活中の作品が発表されたマルセル・デュシャンのエピソードが下敷きになっているのではないか、とのこと。アートに身を捧げ、野心に取り込まれ、道を踏み外した人間の物語。若い頃の未熟な作品を恥じて、自作を贋作だと言い張った横山大観や、画商の事情に配慮して、贋作に自分のサインを入れてやったピカソを思い出した。2014/01/18

hikarunoir

0
薀蓄ばかりで人間性が欠落して良い。

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