内容説明
「隠修女」―それは独房でひたすら神に祈り、生涯を送る修道女。中世英国に実在した隠修女にとりつかれた、田舎町の司祭デュヴァルは、歴史を掘り起こし、彼女の伝記執筆に異常な執念を燃やす。やがて彼は若い女性に牙をむく。女を拘束し、隠修女に仕立てあげるのだ!密室で、人間としての尊厳をすべて奪われながら、彼女は必死の抵抗を試みる。だがデュヴァルにとっては、隠修女を自分のものにし、神の道を明らかにする聖なる行為だった…監禁の恐怖、狡猾な狂信者と無力な女性の心理戦!英米騒然の歴史サイコ・サスペンス。
著者等紹介
ムーアクラフト,ポール・L.[ムーアクラフト,ポールL.][Moorcraft,Paul L.]
ジャーナリストとして、アフガニスタンやアフリカ諸国をはじめ、世界中の戦場を取材、著書も多い。英国陸軍士官学校や各国の大学で教鞭を取る。映画製作や、軍事雑誌の編集にも従事
野口百合子[ノグチユリコ]
1954年生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
24
「コレクター」や「羊たちの沈黙」と同じような、監禁サスペンス。隠修女の妄想により司祭に誘拐され監禁された若い女性。司祭との宗教的なやりとりで自分の命を図る、緊迫した場面が続き、ハラハラ。しかし「神に仕える」のも「死刑になりたい」のもターゲットは若い女か子供というゴミクズ男達は何とかならんものだろうか。捕まえたのち真っ裸にして晒してやりたいものだ。2016/10/13
琵音
1
中世の隠修女という生きながら狭い一室に閉じ込められ苦行した女性を1967年に復活させようとした狂人と、その被害にあった女性とのやりとりと、その狂人が書く隠修女の小説が交互に語られる。中世の方は陰惨だし、現代のほうも怖い。そして、冷戦まっただなかの時代、まだサイコ犯罪者の認知は低くて、最初ヒロインはスパイ絡みの監禁と思ってしまう。(これはこれで現実味があってこわいが)でも犬だけは愛らしく書かれていました。もっとこのわんこの記述があっても私は嬉しかったです。この犬の描写で息抜きができます。2017/12/10
きじねこ
0
サドをちょっと思い出した。クリスティーンは事実はアーヴなんだけど、デュヴァルの妄執で現実のものになったような気がする。何はともあれ、ボビーが幸せでよかった。2012/09/29
すけきよ
0
内容的には緊張感あふれててなかなか面白かった。ただ、ラストはあまり効果的ではないような。それと、途中で出てきた女の子はなに?2004/10/27