内容説明
学校では、みんなの仲間になるため、ニキビ面の男の子たちに身体を触らせる。家では、口論の絶えない両親の前でいい子を演じていた十四歳のわたし。同級生のロビンと付き合ってみたけれど、それは嫌われ者の幼なじみを避ける口実にすぎなかった。そんなある日、運命の男性が現われた―少なくとも、そう信じていた。オリヴァーは二十七歳でずっと大人だったけど、わたしの身体を探る彼の手は、同級生のそれと同じだった。そんな満たされない思いから、わたしは今日も白い肌にカミソリの刃を滑らせ、綺麗な血縞に慰めを求める…。思春期特有の心の揺れを瑞々しくも哀しく描いた、青春喪失小説。
著者等紹介
レイ,レベッカ[レイ,レベッカ][Ray,Rebbecca]
1980年生まれ。16歳のときに学校を中退し、本格的な作家活動を始める。1998年に『癒えない傷口』でデビューを果たし、その若さと洞察力に富んだ表現で注目を集めた。ロンドン在住
佐竹史子[サタケフミコ]
1966年生まれ。翻訳家
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