内容説明
ヴァンパイアとなったアルマンと生涯の師マリウスを結びつけたのは、互いに対する強い愛だった。ところがある夜、黒衣に身を包んだ敵対するヴァンパイアの一団がマリウスの屋敷を襲い、マリウスは炎上、アルマンは捕らえられて、首領サンティーノの支配下に置かれる。その後、パリの“カヴン”のリーダーとして闇の世界に君臨したアルマンの世界を再び変えたのは、三百年のちに出会ったレスタトだった…。天使の顔と心を持ちながら、暗黒の道を歩んだ美青年アルマンの、破滅と再生の物語。
著者等紹介
ライス,アン[ライス,アン][Rice,Anne]
1941年、ニューオリンズ生まれ。娘の死をきっかけに創作活動を開始した
柿沼瑛子[カキヌマエイコ]
早稲田大学卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほわわん
1
上巻もなかなか難しかったのですが、下巻はさらに精神世界と吸血行為と死体の描写やら暴力の描写やら官能的であり、かなり刺激が強い。喪失したかと思われた人物とも巡り会う。そんな世界では死って一体?ラストのマリウスとの会話は、圧巻。これ以上言う事はなかった。これが云いたい為の上下巻って感じだった。上巻とは違い豪華さや贅沢さが低減。アンネの日記みたいな排斥される側の叙述みたい。贅沢全てを知った様なアルマンが最後に戦ってまで守るのが音楽という無形資産。オペラ座の怪人みたい…はっ?オペラ座の怪人ってまさか…?2020/03/24
ぎんが
0
たんにアルマンファンなので面白かった。マリウスとアルマンが再会できなかった事情知りたいので頑張って原書読みます。2012/11/28
fried_bogy
0
『生きるために殺さねばならない者たち、この地球がそれを命じたとはいえ死を糧にしなければならないもの』アルマンの台詞は、そのまま私たちにも降りかかって来る。同じように死を糧にしながら、美しくもなく死に向かう私たちは、悲しいのだろうか?悲しいのだろう。おそらく。だから物語を読みもする。薄汚い干した布団の上に無上の美が広がっていることの不可思議。生きていくことは醜い。それなのに。何故世界は美しく作られているのか。私にとっての救いは、鬼才の音楽家上田現が、「醜いけど愚かなことじゃない」と云って死んでいったことだ。2011/07/02
アキ
0
レスタトとの出会いも描かれています。2002/10/19