内容説明
パールハーバーは、米国にとって奇襲だったのだろうか。日米両首脳は、戦争が不可避であることを知っていた。そして、開戦前夜の日本の宣戦布告をめぐる両国の動きについては、多くの謎が残されている。戦争開始を少しでも遅らせたかった米国国務省は、何とか日本を交渉のテーブルにつかせようとしたが、「ハル・ノート」は事実上、日本への最後通牒だった。すでに日本には、米国との開戦しか道は残されていなかった。瀬戸際に立った両国の思惑が交錯する政治の舞台裏を、新たな視点と緻密な分析で明らかにする。
目次
第4部 奴らを追い詰めろ(日本空爆計画;素晴らしいアイデア;空飛ぶ虎;決死の東京空襲;ゲット・ヤマモト ほか)
第5部 恩讐の真珠湾へ(マッカーサー復帰;二つの提案;暫定案放棄;ハルの矛盾;謎解き ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ZEPPELIN
3
アメリカが先制攻撃する案も複数あったし、日本が仕掛けてくる可能性もしっかり考慮していたのに、標的が真珠湾だとは予想だにしていなかったというアメリカ側。この点は日本側からの文章も読んでみたい。ルーズベルトにすれば、攻撃されたことではなく予想を外したことが「汚辱」だったんだろうか。シカゴまで攻め込まれるなんて弱気になってみたり、そもそも対日戦争を歓迎していなかった人物も複数いたりと、日本同様にアメリカ内部も決して一枚岩ではなかった。両国とももう少し外交が上手かったら…と思わずにはいられない2015/05/10
ジュンジュン
2
下巻は、気持ちがいいほど"日米開戦"のみに特化した構成。タイトルに相応しい内容かは置いといて、一つの事柄を多方面から描いているので、とてもスリリングで面白かった。個人的には「ハル・ノート」に名を残すハル国務長官のことが、もう少し詳しく知りたくなった。2016/12/10