内容説明
アバの『ダンシング・クイーン』が聞こえていた十二歳の夏の日、ヴィックスは輝くばかりに魅力的な転校生ケイトリンから、一緒に夏休みを過ごそうと誘われる。場所はケイトリンの父の別荘がある高級避暑地マーサズ・ヴィンヤード島。貧しくうっとうしい生活から逃れるように誘いに応じたヴィックスにとって、それは夢のようなひと夏だった。そして以後、高校を卒業するまで、二人は毎年夏休みを共に過ごし、友だち以上の強い絆で結ばれる。相手に対する愛情と、そこから生まれる喜び、悲しみ、怒り、嫉妬、競争心…。しかし、時の流れは二人を社会へと押し出し、それぞれの道を否応なく歩ませる。ジュディ・ブルームが感動的に描く女の友情物語。
著者等紹介
ブルーム，ジュディ［ブルーム，ジュディ］［Ｂｌｕｍｅ，Ｊｕｄｙ］
ブルームにはヤングアダルト小説を中心に二十作を超える著作があり、二十の言語に翻訳されています。著作の世界中での販売累計は六千五百万部にのぼります。日本でも『赤ちゃん、いりませんか？』『いじめっ子』（いずれも偕成社）など十冊の児童書が翻訳されています
瓜生知寿子［ウリウチズコ］
翻訳家。訳書に、ハイスミス『ガラスの独房』、ドビンズ『奇妙な人生』、ウォーカー『女検死官ジェシカ・コラン』（以上、扶桑社ミステリー）、ワイマン『カレジの決断』（偕成社）などがある
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感想・レビュー
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ひとみ
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魅力的な転入生ケイトリンに声をかけられたことがきっかけで12歳から毎年夏になるとお金持ちの集まる島で過ごすようになったヴィックス。島にいる時は貧しい家を忘れて姉妹のように過ごし、ケイトリンの両親の応援を得て名門大学に進学し社会に出る…という要旨だけを見ればシンデレラのようだけど、二人の少女を取り巻いている家庭や社会はどうしようもなく、苦さと切なさが残る。早くから現実と向き合わざるを得なかったヴィックスも逃避し続けたケイトリンも、他の登場人物も皆どこか哀れだ。ストーリーに引き込む力の強さにも圧倒された。2015/09/11
