内容説明
二十年前、僕は、ロサンゼルスで薬害に冒され、視力のほとんどを失いました。2000年9月、ロスの公演で熱い喝采を浴びたとき、二十八歳になった僕の中で、自分が乗り越えてきた道程のすべてが蘇りました。その日、渇き切って涙の出ない僕の目から止めどもなく涙が溢れました。
目次
第1章 運命の街、ロサンゼルス(2000年9月、ロサンゼルス公演;20年前の日々をたどる旅 ほか)
第2章 ウァイオリニストへの道(僕の目は、もう治らないの?;ヴァイオリンを仕事にするという選択 ほか)
第3章 不安と希望の英国留学(母と二人の海外生活;ナリミチの演奏を作れ ほか)
第4章 輝ける音楽家、素晴らしきソリストへ(日フィルとの共演;紀尾井ホールでの初リサイタル ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はなみずき
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眼ネタは外せないので、つい手にとってしまった。読んでみたら音楽の話が中心だったんだけど。でも、音楽の解釈の仕方(時代背景や作曲者の背景など)や演奏していく上での目指すことなど私が今まで考えたこともなかったことを音楽家達は考えるんだなーって勉強になった。今クラシックを聞いたらきっと今までと違う気持ちになる…カナ2008/08/14
ヤマセミ
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中途失明であることが辻井さんと大きく異なる。状況を冷静に分析して言葉にしていることで、著者の生きざまというものが静かに伝わってきた。先のことを考えるのではなく、今できることに精一杯取り組むというスタンスを小さい時から持っていたようで、凄いことだなあ、見習いたいなあと思った。2020/07/13