内容説明
サド・マゾ殺人、阿部定事件、日本初の保険金殺人ほか、明治から昭和にかけて起きた凄惨でむごたらしい事件が映し出す近代日本の暗黒面!衝撃の残虐犯罪史。
目次
“御一新”時代のおぞましい犯罪―明治期(役者と密通のうえ、主人を殺害―“毒婦夜嵐おきぬ”と呼ばれた女;“毒婦”と化した“貞婦”お伝―不治の病の夫を持った妻の行く末 ほか)
狂気の犯罪が罷り通る怖さ―大正期(信用させて真夜中に襲う―大米龍雲尼僧連続暴行殺人;女性の局部に竹をぶすり―少年による串刺し殺人事件 ほか)
“阿部定”に共通する複雑な女の犯罪―昭和戦前期(女の頭部を切り、頭にかぶる―凄惨きわまる男の首吊り死体;八つに切られた男の死体―兄弟の犯行、玉の井バラバラ事件 ほか)
小平事件に見る食糧難時代の犯罪―昭和戦後期(食べ物なく、人肉を食わす―障害をもつ先妻の娘を殺害して;女性をつぎつぎ乱暴、絞殺―食料を餌に誘い出す、小平事件 ほか)
感想・レビュー
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お咲さん
4
猟奇殺人は時代を色濃く反映している。明治からの近年、社会と共に猟奇性も変わっている。男尊女卑が当たり前の時代であれば女はボロ雑巾のように犯され殺されるし、医学が発達してなければ、人肉エキスが万病に効くなどという迷信が簡単に信じられてしまう。それにしても男女の情愛の果てにある局部や乳房の切り取りは性への強い執着を感じずにはいられない。切り取ったものを持っているだけで相手と一緒にいる感覚になるというのだから異常な精神状態である。しかしそれも愛なのか。狂おしい欲望の果ての殺人事件簿はどれも悩ましい2022/03/31