内容説明
ルイス・キャロルことチャールズ・ドジソン氏は、作家志望の青年医師コナン・ドイルを訪ねて、ポーツマスにやってきた。ドイル医師は、検死した元船長を他殺だと証言して、町は大騒動。だが、事件はそれだけではすまなかった。くだんの船長の娘たちが同席した降霊会で、霊媒が「殺人!」と叫ぶや、突然息絶えたのだ!現場にいあわせたドジソン氏は、数学者の論理的な頭脳で事件に挑む。頼りになるワトソン役は、もちろんドイル医師だ―夢の探偵コンビが、複雑怪奇な事件をあざやかに解決する、本格歴史ミステリー。
著者等紹介
岡真知子[オカマチコ]
神戸大学文学部英米文学科卒業。主訳書:ロゴウ『マーベリー嬢失踪事件』、シーガル『愛と栄光のノーベル賞』(以上、扶桑社海外文庫、ギル『ジェイムズ・ジョイス殺人事件』(角川書店)他
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感想・レビュー
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司
1
後年のドイルの交霊への第一歩が見えるところや「アリス」の台詞が出てくるところは楽しいけれど、ドイルがただドタバタしているだけでミステリとしてはつまらない。2015/02/24
madhatter
1
ドイルというキャラクターの動かし方が悪いため、第一の殺人の扱いが弱くなっている気がする。小さな傷とドイルの言葉だけで、死因も明確でないというのは、殺人であることの証明ができていないということではないか。医師ともあろう者がそれなしで意見を言えば、総スカンを喰うのは当たり前だし、読者も納得しない。死因をここで特定し、二人が事件に関わる理由を明確にすべきだった(しかしそれだとすぐに犯人がわかってしまう)。第二の殺人の犯人特定がかなりきっちりしているため、余計に第一の殺人の残念さが際立つ。2011/08/07