内容説明
一代で前田家、島津家、伊達家に次ぐ57万石の大大名にのし上がった猛将義光の実像に、一次史料を駆使して肉薄する!豊臣、徳川、上杉…彼らの運命を決めたのは誰だ!
目次
第1章 義光―幼少から家督を継ぐまで(最上一族とは;系図を読み解く ほか)
第2章 義光―羽州探題の再興を目指して(村山盆地を平定する;義光の花押 ほか)
第3章 初代山形藩主への道(関ヶ原合戦;山形における関ヶ原合戦―長谷堂城合戦 ほか)
第4章 義光のその後を追う(嫡男義康;次男家親 ほか)
著者等紹介
松尾剛次[マツオケンジ]
1954年、長崎県に生まれる。東京大学大学院博士課程を経て、山形大学人文学部教授。東京大学COE特任教授(2004年度)。日本中世史、日本仏教史専攻。1994年、東京大学文学博士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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軍縮地球市民shinshin
11
山形大学教授が書いた本。最上義光の伝記かと思って購入したが、そうではなく、どちらかというと義光の事績についての研究であった。だから伝記ならばほぼ同時期に出た吉川弘文館の方が良いかもしれない。東北の戦国史というと、伊達政宗が突出していて、義光はどちらかというと「悪役」で登場してくるが、足利将軍家の親族である義光をもう少し研究したほうが良いと感じた。ただ、この取ってつけたようなタイトルには感心しなかった。「家康に天下を獲らせた男」というのは余計。そんなに家康は出てこないし。2016/06/27
金吾
7
題名からは小説と思いましたが、大学の先生が一次資料を丁寧に分析した文献です。名前は有名ですが、なかなか主役にならない人物であり知らないことが多く面白かったです。家臣の独立性が、強そうなことが垣間見え最上騒動の因子かなと想像してしまいました。2019/12/30
こまさん
6
タイトルがアレだが一次史料に基づいて義光の動向を丁寧に叙述した著書。2019/11/05
ようはん
6
タイトルは流石に大袈裟過ぎる。最上義光にかつてあったダーディな謀略家イメージは既に払拭してはいたが、近年の研究結果による新事実を色々知る事が出来て良かった。敢えて言えば氏家守棟や延沢満延辺りの世代の家臣団にあまり触れていない事か。2019/10/26
しびぞう
6
山形県出身ではあるが、私の実家は庄内にあるので、最上氏についてはあまり知ることがなかった。しかし、このタイトルは面白そうだと思って手にとってみた。大学の先生が書いた本なので、失礼ながら、大変よくまとめました、と、上から目線な感想を持ってしまった。柔らかなタイトルだからこそ、もう少し読み物的なものかと思ったのだが、まったくをもって論文だった。タイトルにつながる内容も、最後にとってつけたように記述されている感がぬぐえない。しかし、長崎出身の教授をこれほど虜にするのだから、最上義光はよほど魅力的な人なのだろう。2016/04/25