内容説明
崖下の変死体は大富豪夫人だった―ロサンゼルスの私立探偵エルヴィス・コールは、妻殺しの嫌疑をかけられた実業家テディ・マーティン側の辣腕弁護士ジョナサン・グリーンから依頼を受けた。テディの無実を証明するため、凶器を発見した刑事が過去に不正逮捕をしていることを立証したいというのだ。だが弁護士側のあまりに強引なやり方に疑念を抱いたコールが発見したものとは…。『死者の河を渉る』に続き、軽快な展開とポップな語り口が冴える、〈探偵エルヴィス・コール〉の会心作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
65
コール&パイクシリーズ第6作。今回のコール、ルーシーには相変わらずメロメロだし、大物弁護士には利用されちゃうし、ちょっと情けない?でも最後は何とか起死回生?うーん、もっと徹底的に叩きのめして欲しかった。パイクも最初に比べたら大分しゃべるようになってきたのは良いけれど、今回もうちょっと暴れて欲しかった。今まで読んだシリーズの中では、ちょっと残念。でも何が残念って、この後のシリーズ翻訳されていないのです。何処か出版して欲しい!2019/09/16
くたくた
28
C&P6作目。純なコールが迂闊にも強者の悪意に騙される。それだけだと読むのがツラいが、ルーシーとの恋が絡んでコールが騙されるのも止むなしと思わされるところが上手い。コールの恋の為なら子守も辞さないパイク超万能!利用された事に気づいた後半の巻返しは爽快だが「そこから派生したあらゆることが、自分の人生にこれほど長く尾を引く深刻な打撃を与えようとは思いもしなかった」というプロローグを読み返すにつれ、グリーンを撃ち殺したくなるのはパイクだけじゃない。その後のコールの災難を読んだ後となっては奴を締め殺してやりたい。2017/08/19
しましまこ
28
コレは面白かったよ!大好物の巻き込まれ型、敵は巨大弁護士マシーン。全米で五指にはいる刑事弁護士、グリーンをトップとする弁護士軍団だ。ズブズブ深みにハマってくコール、ヤバイヤバイと読みつつも、前作登場のルーシーとの甘~いラブもあり、ソコにはおかんのようにコールの恋を見守り応援するパイクがっ!(笑) シリーズここまでか、『続刊』てあるのに17年・・・創元の新刊で16作目ってあるのに~。訳も同じ方だし創元さん、何とかなりませんかね?取り敢えずパイクさん主演作にGO!はたして会話があるのか?2017/05/28
bapaksejahtera
15
無駄口は多いが女性にもてる探偵と、最後に彼を助ける強力な相棒が活躍する本シリーズには出来不出来がある。「モンキーズ・レインコート」では夫の支配を受ける妻「ララバイ・タウン」では傲慢な監督の別れた妻を採り上げ、何れもその自立を助ける嫌味のない筋立てが良かったが、他方で失望作も多い。このシリーズの半分が未訳であるのも、その為だろうか。その点本作は快作。気の強い女性警官が有名な大手弁護士事務所の手で窮地に陥るのを、又々主人公が助ける筋。これが主人公の本領なのだろう。本作では悪徳弁護士への最後の捨て身の攻撃が痛快2024/05/19
tom
15
読友さんが教えてくれた作家の本。これが思いのほか面白い。単純な話から事態が始まり、これが意外に複雑な物語に展開して、その展開を楽しむという風情。シンプルかつ読ませるというミステリーは、いまどきは得難いものかもしれない。タラタラと読みながら、楽しませてもらったという悦び、読友さんに感謝。ちなみに、妻にも提供したのだけど、それなりに楽しんだみたいです。2018/08/01