出版社内容情報
半年間にわたってつづいてきた産経新聞の評判の連載、『毛沢東秘録』が百二十四回をもって終り、上巻が単行本にまとまった。文化大革命、劉少奇追放、林彪の反逆と墜死、四人組逮捕、鄧小平の追放と復活などなど、中国現代史は壮絶な権力闘争の歴史だった・・・・・。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 290頁、より)
内容説明
壮絶な権力ドラマ遂に佳境へ。林彪、周恩来、そして独裁者の死。渾身の大河歴史ドキュメント完結。菊池寛賞受賞。
目次
第4部 毛主席的親密戦友(武漢視察―流血の地に列車は向かった;王力拉致―武漢は内乱状態に陥った;武漢脱出―トラックで護衛、暗闇に紛れ ほか)
第5部 儒者宰相対紅都女皇(林彪墜死と国連加盟―「思いもかけぬ二大勝利だ」;失脚・陳毅の追悼会―寝間着にコートで突然現れた;ニクソン訪中―病床で指示「彼とすぐ会う」 ほか)
第6部 若干の歴史問題に関する決議(妻への諭し―外国人のおならは香しいか?;江青の逆襲―「左派の領袖は私めである」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
○毛沢東の権力維持のため、権力闘争を煽っているように感じました。こういう話を読むと独裁はよくないと痛感します。また江青にしろ葉群にしろ権力者の妻というだけで権力を握るというのは恐ろしいことだと思いました。最初に四人組の失脚という毛沢東に関連した一連の権力闘争の結論を示した後に50年代から話を進める構成は良かったです。2022/02/19
koishikawa85
3
ようやく読み終わった。上の第一部はだるかったが、そのあとからにわかに面白くなった。毛沢東に対して批判ありきではない、抑制的な筆致であるのが好ましい。ただ中国の本に依拠する姿勢だけに語られなかったこともまた多いだろう。2022/12/25
秋津
2
中国人自らの手で記された資料を基に、毛沢東、そして近現代中国について、制約がある中で何が語られ、何が語られていないかを探る一冊。下巻では林彪の失脚、日本やアメリカとの国交樹立や国連加盟などの外交政策における大きな進展、周恩来や鄧小平の活動などが中心となっています。鄧小平が幾度もの失脚を経てもなお復活する様子や周恩来が死去するまで地位をほぼ一貫して保ち続けたのを見ると実務能力が高いだけでなく、様々な思惑を持つ勢力の間での身の処し方をわきまえていたのだなと。2015/06/26
夢仙人
2
毛沢東の権力への執着心。周恩来のNo.2を守る出所進退。中国は今もそうなのか?2013/03/29
Y.T
0
☆☆☆☆2023/05/27