内容説明
松山拘置所内で綴った書き下ろし三百六十枚。
目次
逮捕
公判
逃亡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
31
獄中で書いた360枚の書き下ろし手記。印税の800万円は被害者遺族に寄付されている。文章は拙いが、第三章の「逃亡」は迫真に満ちている。逃亡犯として以上に、訳ありな女が一人で生きていくことの世間の厳しさを実感せずにいられない。身を隠す先は水商売や風俗業。著書『青線~売春の記憶を刻む旅』で福田和子を取り上げた八木澤高明は、和子と青線の関係をえぐっているが、これを読むとその生い立ちから逃亡犯として捕まるまで、まるで見えない糸に導かれるように、裏街道と言うべき全国の青線地帯を渡り歩いているのが分かる。男運が⇒ 2022/12/22
メタボン
20
☆☆ 一番知りたかった逃亡期間のことが端折られており、裁判記録が稚拙で冗長に感じられたことが残念。殺人の動機や、福田和子の人物像も、結局良くわからない。どこまで本人が書いたのか疑問に思った。2024/06/23
扉のこちら側
20
再読。2014年54冊め。2014/02/01
あっちゃん
8
彼女が犯した罪は決して許されるものではない。けれど、同情してしまう点も多かった。祖父母がそのまま彼女を引き取り育てていたら、殺人なんて犯すこともなく、まともな人生だったかも知れない。この本を読んで、松山刑務所事件を初めて知りました。2023/01/31
扉のこちら側
5
15年の時効まであと21日のところで逮捕された、美容整形逃亡犯(強盗殺人犯)・福田和子の自著。タイトルは太宰治から。他、水滸伝からの引用などゴーストラタイターの手の跡が伺えたり、所々の文面にはっとさせられる表現はあるが、やはり自分に酔っている感がして鼻についてしまう。一番最初、10代の時に男に騙されて入った拘置所内で強姦被害に遭ったことは同情する。後の転落の始まりだったのだろう。2012/04/17