内容説明
予言者、ミシェル・ド・ノストラダムス。彼が書き残した数百編の難解な予言詩は、時代をこえてつねに新たな解釈を生み、400年以上にわたって人びとを悩ませ、魅了しつづけてきた―だが、千年期の終末をむかえようとする今、まったく新たな物語が生まれる!本書は、ホラー界の最前線に立つ作家たちが、想像力の限りをつくしてノストラダムスの予言詩に挑んだ、驚くべき作品集である。過去に、現在に、未来に、黙示録的ヴィジョンを幻視する全11編。恐怖と戦慄、破滅と希望に満ちた、世紀末の奇書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
25
99年(平成11年)の税抜705円の文庫初版。創元「ラヴクラフトの遺産」などと一対になるような世紀末本。巷間の(時期的な)トンデモ話の集成ではない。あの四行詩の一つを与えられた(選択した?)ホラー作家11人による競作集。現在、ノストラダムス関連はオワコンの印象で、古書店でもレジに行くまで逡巡あるが、本書はアンソロジストのMHグリーンバーグ編纂の極めて上質な純正品だから堪能できる。ジェンズ「Stop-Nos」やスミス「通りで子どもが遊ぶとき」が特に良き。詮無い事だが創元か早川ならもっと部数が…。★★★★☆☆2024/10/11
臓物ちゃん
6
恐怖の大王は……アイダホにいた!そんなMMRもビックリの1999年刊行ノストラアンソロジー。代表的な予言詩を題材に作品を書くというスタイルなのでクトゥルフものから歴史秘話までバリエーション豊か。大予言を信じてしまったマザーコンピュータを口八丁で騙して核戦争を防ぐ「黙示録の四行詩」もいいが、特に好きなのが「STOP-NOS」。〈否定的予言事象調査防止結社〉の頭文字を繋げたクソダサ組織名がなんとも90年代な秘密結社が予言成就阻止のため奔走する『残虐行為記録保管所』のようなスパイコメディがたまらんぜ。オススメ。2022/01/30