内容説明
膨大なコレクションと優秀な研究スタッフを世界に誇るニューヨーク自然史博物館―その地下で二人の少年が惨殺された。遺体はずたずたに切り裂かれ、しかも脳の視床下部が消えていた。謎の殺人鬼の正体はつかめぬまま、『迷信展覧会』の開会を目前に控えた博物館側は、強引にその準備を進めていく。この画期的な展覧会の目玉の一つが、アマゾンの謎の種族コソガにまつわる伝説の悪魔「ンブーン」を模した立像だった。だが立像を発見した博物館遠征隊は、全員が死亡するという悲劇的な末路を迎えていたのだった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さといも
15
再読。何度読んだか分からないくらい読んでます。なのにハラハラ、ドキドキ。面白いです。いそいで下巻へ。2017/10/24
辺野錠
6
映画が面白かったので原作を手に取る。自然史の博物館に人を惨殺していく謎の存在が跋扈し上巻ではそれが何なのかが分からないと言うシチュエーションが良かった。それを遺伝子の分析など様々な視点から追うのも良かった所。2021/03/22
魄
4
「いまわれわれは、謎(エニグマ)に埋まり、謎(ミステリー)にくるまれた謎(リドル)に取り組んでいる」とはなんと魅惑的な表現だろうか…自然史博物館で起きた不可解な殺人事件に巻き込まれた関係者や捜査官たち。上巻では犯人が人間なのか人ならざる者なのかもまだわかっていない。学者同士のやり取りは当然のことながらそれぞれに専門的で難しく、けれど興味深く面白い。特筆すべき登場人物はFBI捜査官のペンダーガストで、彼の存在感が頭ひとつ抜けている(次いでフロック博士)下巻に進み、真相を早く知りたいと思う。2024/05/26
カマー
4
冒頭から一気に惹きこまれた モンスターホラー系好きな人にはお勧め
female_beetle
3
ホールにはさまざまな生物の骨格標本や未開の民族の遺宝などが並べられ、地下にはどこに通じるのか判然としない通路が網の目のように広がる。博物館の細やかな描写がたまらない。映画版で実際に目にするよりも、より美しく異質な空間として脳裏に描き出させてくれる。2013/01/20