内容説明
9年前、ジェインの兄ルーシャンが謎の死を遂げた直後、兄の親友ロブは姿を消した。そして今、ロブの恋人エズミが何者かに襲われ重傷を負ったという知らせを聞いた日の深夜、ジェインは「ダービーに急げ」という電話で起こされる。それは、子どもの頃ルーシャンが「誰かトラブルに巻き込まれたら、必ず助けに行く」と仲間に約束させた暗号だった。種苗園を経営し、貧しさのなか夫婦仲に危機を抱えるジェインは、同じく仲間だった夫オーエンには黙ったまま「秘密の場所」に向かう…人物描写が冴える英国作家の心理小説。
感想・レビュー
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椿子
8
夫と上手くいっていない主人公が、子どもの頃仲間内で決めた助けを求める暗号によって、仲間を助けにいく話。とあらすじで見ていたので、もっと壮大な物語をイメージしていたのだけれど、良い意味で身近でコンパクトな話だった。登場人物それぞれに深い内面や悩みがあり、子どもの頃わからなかったそれらを、主人公ジェインは大人になった今振り返っていく。主人公の性格が、何でも悪い方に考え始終カリカリ苛々しているので、こんなに好きになれない主人公も久しぶりだ!と思いながら読んだのだけれどとても面白かった。2017/10/16
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