内容説明
ざしきわらし、小豆はかり、河童、ぬらりひょん、さざえ鬼…水木しげるが描く、妖怪達の不思議な姿とエピソード。妖怪達の棲む場所、人間へのイタズラ、あの世とこの世の境、霊魂について…私達には見えないにぎやかな世界がそこにある。さらに本書では、妖怪博士・水木しげるのルーツが語られている。幼い頃の、霊媒師・のんのんばあとの出会い、戦地での不思議な事件、貸本屋時代の奇妙キテレツな友人達…水木しげるワールド“決定版”。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうさん
4
5歳2ヶ月。時間がなくて、細かく読めず、子どもが1人でめくって見ていたが、面白いと言っていた。2019/09/19
午前の紅茶
0
大人になると、考えることはこの世(金、生活、社会)のことばかり。水木しげるを読んだら、小さい時には持っていたはずの、あの世や目に見えない物事に対する興味関心がふつふつと蘇ってきた。彼は何も空想で妖怪を創出したのではなく、柳田國男や鳥山石燕の書物や絵巻を徹底的に研究してそれを忠実に継承している。妖怪という日本古来の文化は、彼によって広く知られ存続させられているのだ。最近は光が多すぎて妖怪がなかなか出てこれないようだ。この世偏重だ。電力も逼迫していることだし、もう少し身近に異界を取り戻してもいいんじゃないか。2022/09/02
ワタナベ読書愛
0
1984年、中央公論社「不思議旅行」。1995年扶桑社(文庫)。長年、妖怪漫画を描いてきた筆者が体験した現実世界の妖怪体験や妖怪じみた人達の話。戦前の子ども時代に出会った怪異、戦争中の南方、戦後~昭和末期までと、どの時期にも濃厚で強烈な妖怪体験ばかり。筆者は驚きながらも、冷静に状況を観察し、記憶し、後日、分析したり作品に生かしたりしている。怪奇現象をここまで実生活に役立たせる人はなかなかいない。更に読者にも様々な恩恵が。読んで楽しく、世渡りの知恵もあり、怪談も味わえる奇跡の書。どこから読んでもオモチロイ。2022/03/05