感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
50
この実名小説の遺稿、何処まで現実か。おじから甥に一族に受け継がれる姿を消す能力「フェイド」。それを受け継いだポールの孤独と憧れと罪。そして芽生える悪と怪物。悲愴な青春小説とも取れるポールの遺稿が何処までが現実を反映した小説か少しずつ明らかになるとともに、改めて何処まで・・・が突きつけられる。読み終えて、ふとこれを思い出した時、想像力という名の怪物が頭を蝕む。能力者の悲哀が幻想ミステリへと作り変えられる。何処までがフィクションなのか。「コズミック」でこの本読み終えた心境が書かれてたけど、偽りなしだよ・・・。2025/03/30
Chihoish
1
再読でしたが、何度読んでも切ない傑作です。2014/05/08
縛の場
1
フィクションへの仮託、あるいは自叙伝、もしくはリアリティの追究。青春小説であり、幻想小説であり、犯罪小説であり、つまりはミステリー。「Why?」としての読み解きが、尤もらしさを読者に懐かせることに成功しているととるならば、解釈の幅を拡げつつ解答を示さないのも幻想小説として大いに有効だろう。2013/06/30
竜
1
やや暗いけど読ませる2011/09/11
負け猫
1
透明人間の話だが、H・F・セイントの『透明人間の告白』とは重さというか重苦しさが違う。このポールの話がフィクションなのかどうなのかも気になるところだが、なかなか厳しいこの時代背景に、少年時代の終わってしまう友情や叶わぬ恋など、そういう観点からもなんだか切なくも読ませてくれる本だった。全然違う話だが、なぜかポール・オースターの『ミスター・バーティゴ』とシンクロする本だった気がする。2010/03/24
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- 和書
- 親の顔がみたい 角川文庫