内容説明
南北戦争も終わりに近づいた1864年、南部の大農園「サイアン・クロッシング」から財宝が消えた―。この財宝の調査を米国上院議員ククリッジに依頼された、英国国防省の諜報員ラティマーは、渡米し議員の娘ルーシーの案内のもと、荒れ果てた森と化している「サイアン・クロッシング」へと向かう。しかしこの調査が実はラティマーの同僚オードリーに依頼されるはずだった、という事実からこれが危険な罠であったことが明らかになってゆく。今や森は、復讐と陰謀の渦巻く“死の眠る森”であったのだ―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sohara
1
英国防省情報部R&D部門を舞台とするスパイ・シリーズ第14作、原作は1984年刊行。全19作中邦訳済みは6作、らしい。このシリーズは毎回事件の主役が代わるが、今回は、次期副部長に決まったラティマーが中心。昇進競争では勝ったはずのオードリーへの対抗心から、つい出来心で事件に巻き込まれ、実戦経験も無いのにアメリカ深南部の古戦場で血と汗と泥にまみれる羽目に。前作『ケリーの告白』とは、内容的にも関連深し。『風と共に去りぬ』はともかく、俳優のオーディ・マーフィや『キャッチ22』への言及等は、若い読者には辛いかも。2012/09/08