内容説明
引退した元ボストン・レッドソックスの剛速球投手エディ・ドナガンの息子で十歳になる、E・J(エディ・ジョーゼフ)が誘拐された。やがて犯人から連絡がはいり、エディの友人である弁護士ブレイディ・コインが身代金の受け渡し人に指名された。要求された金額は十五万ドル。コインは指令通り、立体交差の陸橋の上から現金の入ったカバンを投げおろしたが、少年は帰ってこなかった。ドナガンの家庭の内情をよく知っているらしい犯人の狙いは何なのか。現役時代のエディ・ドナガンと野球賭博をめぐる疑惑が暗雲のようにひろがってゆく―。ボストンの弁護士ブレイディ・コインが単身野球界の黒い罠に挑む、好評シリーズ第三作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
4
元大リーガーが息子を誘拐されることから複雑な事件が出来するというストーリー。弁護士ブレイディ・コインのシリーズで私としては三冊目である。事務弁護士が度々事件に巻き込まれるのが不自然と言っては身も蓋もないが、目を瞑れば良いだけだ。弁護士はマッチョでもなく神にも等しい推理力を発揮するでもない。性格の良い普通の人物が一貫して描かれる。ストーリーの構成、筆力とともに読者を引き込み、都合の良い展開はない。FBIを初めとした当局の面々やその他の登場人物は然るべき働きをなしエンディングとなる。2020/02/25