内容説明
アラスカやシベリアなど、一年の半分以上を雪におおわれている極北地域は、冬には気温がマイナス40度にもなる、きびしい土地です。しかし、そんな冷凍庫よりも寒い環境でも、人びとは知恵と工夫をこらして、たくましく暮らしています。いったい、どんな工夫をしているのでしょうか。いっしょに見ていきましょう。「グレートジャーニー」で世界中を旅した探検家・関野吉晴が見た、人間が豊かに生きる知恵とは―。
目次
極北
海岸地帯
大河川流域
内陸部
ハイモさん一家
雪の大地に住む
著者等紹介
関野吉晴[セキノヨシハル]
1949年東京都墨田区生まれ。一橋大学在学中に探検部を創設、アマゾン川全域を下る。南米への旅を重ねるなかで、現地での医療の必要性を感じ、横浜市立大学医学部に入学。外科医となって病院に勤務しつつ、その間も南米通いを続けた。1993年から、アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで拡散していった道を、南米最南端から逆ルートでたどる「グレートジャーニー」にいどむ。およそ5万3000キロの行程を、10年の歳月をかけて自らの脚力と腕力だけで踏破した。武蔵野美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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itokake
14
作者は関野吉晴。この人は地球が庭なんだろうな、と経歴を見ながら思う。コパルヒン(発酵させたセイウチ生肉)は腐った強烈な臭いだが、「慣れれば平気」と言えるのは現地の人と関野さんくらいだろう。トナカイ遊牧民のもとに、女性が2人食料をわけてくれと来た。リーダーは早速1頭解体し、肉を半分分け与えた。著者が「シベリアで生きるため、やさしさと強さのどちらが大切だと思いますか」と聞くと、「もちろんやさしさだよ。やさしさがあるからこそ、強さが役に立つんだ。強いだけでは、なにもならないからね」寒い地域の人の温かさがいい。2023/03/17
TAGO
3
冬は-40〜70℃と冷凍庫より寒くなる極北の大地で暮らす人々がいる。 アラスカの山奥で暮らす人たちが 常に携帯している4つの道具は ナイフ マッチ 釣り道具 裁縫道具 ん?裁縫道具? 実は針と糸を使って縫うことで毛皮を身にまとい保温力を上げ-40℃の土地で暮らせるようになったそうだ。 厳しい環境でも知恵と工夫で住み続けることが出来ると教えてくれる極北に住む人々。 その土地で生き抜くための知恵と工夫を知るのは驚きに溢れていてワクワクしますね。2019/07/30
lovemys
1
どんなところでも暮らしていける人間はスゴイな。どこでも暮らしていける知恵があるけど、その地球を汚してる愚かさもある。もっと色々なことやものに感謝しないとだね。何事も限りあるものだと、ちゃんと心にとめておこう。2020/11/25