内容説明
人々の心を支えた名文、「方丈記」の冒頭が絵本になりました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Natsuki
74
古典の名文を音読し、楽しみ理解する「声にだすことばえほん」。今作は『方丈記』。学校の授業で暗記した人も多いのでは?一見儚く切なく感じる無常感。河の流れや文様を見ていると、その流れにまかせて体の力も自然と抜けていく。良いことも悪いことも流れ流れて消えていく・・・。齋藤孝さんの解説も解りやすい。文章と絵の相乗効果。古典に対するハードルも少し下がりそう(*^^*)2016/04/03
がらくたどん
72
内館さんの『老害の人』に続く読書会の課題本。老害と言われる前にひとまず人の世の無常を噛み締めようというプログラム・・かどうかはわからないけど。日本の文学史に残る印象的なフレーズと物売りや芝居のセリフ回しといった口承文芸のフレーズを絵本に仕立てたシリーズの一冊。本書は方丈記のキャッチャーな冒頭部分を紐解く。ワンコと道行く出家僧。厳つい視線で現世の不条理に惑う人々を睥睨するが、ワンコを看取りその思い出と共にすっかり切ない顔つきになるのが絵本ならでは。「方丈記は、人々の心を支えた流行歌」という編者解説も良い♪2023/07/10
れみ
40
図書館内で読了(1)鴨長明の随筆「方丈記」の冒頭部分が絵本となったもの。絵とともに読むと、原文でも現代語訳を読んでいるかのように読みやすい。そして、この1年間「にほんごであそぼ」を見ていた私の脳内には「ベベンの方丈記」のメロディーが流れる^^;2015/03/15
gtn
35
諸行無常。世の人々への警句かつ文学。また、移り変わりへの詠歎だけではなく、「生れ死ぬる人、何方より来たりて、何方へか去る」と究極の問いを発している。それは哲学・宗教しか解決できない。私が信じるのは、生命は永遠ということ。死後は大宇宙と言う生命に融けこみ、きっかけがあれば産まれてくるのでは。それが人間ならばラッキー。生前悪行を積んでいれば、因果の定理により、それ相応の生き物となって出現する。2024/01/07
出世八五郎
30
方丈記は和漢混淆文(わかんこんこうぶん)。それ以前は男性は中国から来た漢語。女性は日本の大和言葉で書くというのが一般的だった。~by斉藤孝。関係ないけど、司馬遼太郎曰く『文化は女性が引き継いでゆく・・・』というのを思い出した。絵本と言えば、子供が読むものという印象があるが、本書は大人向けのような気がする。子供が理解できるのか?2017/02/26