内容説明
広い世界を見てみたい、だれかの役に立ちたい、と旅に出た犬さん。どういうわけか、ゆく先ざきで騒動をおこしてしまいます。心やさしい子どもと大人のための童話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
85
妻に先立たれ子ども達は独立して悠悠自適の身になった犬さん。広い世界を見てみたい、誰かの役に立ちたいと旅に出た。違和感なく人と接する犬さんが某携帯CMみたいだ。社会に適応できない厄介なぶたさん、妻の育児放棄で悩める猫さん、教育改革を目指す熊さんなどなど、社会問題への風刺に満ちた愉快なお話。カラー挿画もかわいらしい。絶版なのが残念。(1993 オーストリア)2016/11/02
ゆのん
54
【児童書】犬が主人公で親友は熊。子供が読めば楽しい冒険譚だが、大人が読むと作者が物語の中で訴えている事が分かるのではないか。教育問題や女性の権利問題、現在の政治家を揶揄するような内容が含まれている。世界をより良くする為に犬は善意で。熊は策略をもって臨む。善意だけでは解決出来ない問題は沢山あり、犬も大変苦労する。最終ページの最後の2行には問題解決の根本が提起されているように思う。動物が沢山登場する一見楽しい物語の中にシュールで辛辣なテーマがある事は非常にネストリンガーらしいと思う。1342019/04/25
猪子
7
ユッタ・バウアーさんの絵目当てで。誰かの役に立ちたいと旅に出た犬さん。でも、犬さんは行く先々でトラブルに巻き込まれ(引き起こし?)てしまう。動物と人間が結婚したり、同じ学校に通っているので不思議な世界観だなぁとは思ったんですが、訳者あとがきを見る限りここにも意味がありそうだなぁと思いました。でも、この本を読んでも人権問題や教育問題について考えるということにはならなそう。2017/12/17
いずとも
4
児童書。なんだかんだでなんでも解決しちゃう犬さん。熊さんとの友情がじんわり温かい。でもどうしてこんなに意気投合しちゃったんだろ?2021/05/13
kira
2
老犬が住まいを捨て、広い世界を見に旅に出る。書評では、社会を風刺しているようなことが書かれていたけれど、あまり感じられず。ほのぼのとした(?)雰囲気を楽しんだ。2022/05/09




