出版社内容情報
想像してごらん。ふんわりと地球の上をただよえば空のかなたが見えてくる、そんな世界を…。人気のだまし絵絵本シリーズ最新刊です。
ロブ・ゴンサルヴェス[ロブ ゴンサルヴェス]
カナダのトロントに生まれる。シュールレアリズムに影響を受け、特にレメディオス・バロ、ルネ・マグリットに感銘を受ける。大学卒業後、建築家として働くかたわら、舞台のセットや壁画を手がける。1990年トロント屋外美術展で絶賛され、本格的な創作活動を開始、高い名声を得ている。作品に『終わらない夜』(ほるぷ出版)など。
金原 瑞人[カネハラ ミズヒト]
岡山県生まれ。法政大学教授。翻訳家。児童書やヤングアダルトむけの作品のほか、一般書、ノンフィクションなど、翻訳書多数。訳書に『豚の死なない日』(白水社)、『青空のむこう』(求龍堂)、『さよならを待つふたりのために』(岩波書店)、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズ(ほるぷ出版)など。エッセイに『サリンジャーに、マティーニを教わった』(潮出版社)などがある。
内容説明
想像してごらん。ふんわりと地球の上をただよえば空のかなたが見えてくる、そんな世界を…。カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスがえがく、夢と現実のはざまにある世界。想像力にみちたイラストレーションが見るものを奇妙な世界へさそいこむ。不思議なだまし絵の絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
135
紅葉する森が蝶の群れになったり、ビル群の灯りが森の星の光になったり…。視線を移していくと現実から夢の世界へと誘われる…そんな不思議で幻想的な絵が続きます。全部素敵だけど特に「こぼれおちる光」「言葉と言葉のあいだ」が好きです。2020/12/03
KAZOO
129
以前3冊の騙しえのような感じの本を読んでいましたが、絵はこの作者だったのですね。ここでもかなり空想が果てしない感じで広がっています。じっと見ているとこの絵の世界に引き込まれそうな気がします。色合いもきれいで(子供より)大人でも楽しめます。2018/03/20
Kawai Hideki
88
マグリットやダリを彷彿とさせる不思議絵の絵本。表紙の絵は、水着の女性が池に浮かんでいると同時に、宇宙空間にも浮かんでいるように見える。他にも、水中を泳ぐ人がそのままきれいな空を飛んでいたり、岩山が大波荒れる海原になっていたり、道に敷き詰められたレンガが、いつの間にか赤い屋根の家々になっていたり、アインシュタインが黒板に書いた数式がそのまま宇宙に直結していたり、凧揚げを楽しんでいるように見える人が、実は何者かに操られているように見えたりと、幻想的な風景に哲学的な詩がついていて、芸術作品としても素晴らしい。2017/01/08
かりさ
88
『終わらない夜』『真昼の夢』に続く不思議な世界。ぱっと見では気が付かないところ、良く見るとあら?あらら?溶け合ったふたつの世界の巧みさにたちまち摩訶不思議な感覚にとらわれます。作者の想像力にまたまた驚き感嘆するのでした。疲れた夜にそっと開けばイマジネーションの渦に取り込まれ、大きく支配していた混沌なぞは、取るに足らないものなのだとおおらかさを取り戻せそう。好きなのは夜の光、知識の塔、こぼれおちる光、黒板の宇宙、言葉と言葉のあいだ、水のおどり、浮かんで想像する世界。特に黒板の宇宙が素晴らしくて…感動。2016/11/26
どんぐり
79
カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスが描くシュールな絵本4冊目「Imagine A World」。蝶が舞う紅葉。波を乗り越え岩山を目指す船。カーテンを切り抜くと現れる動く山。板書の前でアインシュタインが案内する宇宙の果て。空からもぐる秘密の海。カヌーで枝を下ると広がる森。流れ落ちる水がダンスを踊る女たち。水面に浮かんで夢にめざめる世界。2023/12/30